目次
はじめに
皆様は動画編集後の書き出しにおいては、どの方式をお使いでしょうか?
たまに動画の書き出しを行なうのでしたら、デフォルトのままか既成のプリセットを使えば良いのですが、動画の本数が多いと画質を維持したまま少しでも動画の容量を減らしたくなります。
そこで思うのが、VBR(Variable Bit Rate)にするか、それともCQP(Constant Quantization Parameter)にするかです。

ちなみにVBRとは、自分で動画の平均ビットレートを設定するのに対して、CQPは自分で動画の画質レベルを設定し、それに応じてエンコーダー側が自動でビットレートを調整してくれます。
ではどちらを選ぶべきなのでしょうか?
今回はそれについて考えてみたいと思います。
結論
先に結論を申し上げると、個人的なお勧めは断然CQPです。
その理由なのですが、VBRより画質を維持したまま容量を減らせるからです。
と言いたい所なのですが、残念ながら違います。
両者とも、書き出した動画の平均ビットレートが同じならば、画質も容量もほぼ同じだと言っても良いでしょう。
ではなぜCQPを勧めるかと言えば、書き出し時に前回と異なる解像度やフレームレートにするとしたら、VBRでしたらその都度平均ビットレートを自分で設定し直す必要があります。
ところがCQPでしたら、それらを変えても何もする必要がないのです。
例えば、今までFHDで書き出していた動画を4Kで書き出すとしたら、解像度が減ったのに合わせて平均ビットレートも4倍にしなければなりません。
あるいは60fpsで書き出していた動画を同じ画質で30fpsで書き出するとしたら、ビットレートを半分にしなければなりません。
ですがCQPであれば、そんな事をしないでも自動でビットレートを調整してくれるのです。
動画書き出し方法の種類
既に結論をお伝えしたので不要かもしれませんが、それでは次に動画の書き出し方法にはどんな種類があるか見ていきます。
下がその表です。
| 動画書き出し方式 | 和名 | 動画内ビットレート | 平均ビットレート | 画質 | 特徴 |
| CBR(Constant Bit Rate) | 固定ビットレート | 一定 | 一定 | 変動 | ビットレート固定のため、通信は安定するが画質は変動する。 |
| VBR(Variable Bit Rate) | 可変ビットレート | 変動 | 一定 | 一定 | 画質と平均ビットレートを維持した状態で、フレームレートが変動する。 |
| CQP(Constant Quantization Parameter) | 固定画質 | 変動 | 変動 | 一定 | 画質レベル(QP0~51)を設定すれば、それに対応してビットレートが変動する。+6でビットレートは約半分になる。 |
| CRF(Constant Rate Factor) | 簡易固定画質 | 変動 | 変動 | 一定 | 同上(ソフトエンコーダ向け) |
CBR(Constant Bit Rate)
先ずCBRとは、動画内ビットレートも平均ビットレートも同じですが、それに伴って画質はフレーム毎に変動します。
動画配信がメインならば、ビットレートが変動しないこれでしょう。
VBR(Variable Bit Rate)
VBRは、画質と平均ビットレートを維持した状態で、フレームレートが変動します。
このため画面内の動きが激しい場合は、画質を維持するためにフレームレートが高くなり、動きが緩やかだとビットレートは低くなりますが、トータルでは平均ビットレート内に収まる様に制御されます。
CQP(Constant Quantization Parameter)
続いてCQPは、既にお伝えしました様に自分で動画の画質を設定し、それに応じてエンコーダー側が自動でビットレートを調整してくれます。
この場合も画面内の動きが激しい場合は、画質を維持するためにフレームレートが高くなりますが、VBRの様に平均ビットレート内に収まる様には制御されません。
ちなみにパラメータは高画質のQP0から低画質のQP51まで設定可能で、一般的にはQP20~25辺りが妥当な所で、これ以下ですと無駄にビットレートが上がり過ぎ、すなわち容量が膨らみ、これより上げ過ぎると画質が明らかに低下します。
CRF(Constant Rate Factor)
最後はCRFです。
これはCQPの簡易版と思って良いでしょう。
CQPはグラフィックボードを搭載したPCで使えますが、グラフィックボードが搭載されてないPCもしくは古いグラフィックボードを搭載しているPCの場合、CPUがエンコード処理を行なうためこのCRFが使われます。
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