目次
はじめに
長い間漠然と疑問に思っていました。
レンズの焦点距離を2倍にするのと、同じ焦点距離のまま被写体までの距離を半分にするのとでは、撮った写真は同じなのでしょうか?
それとも違った写真になるのでしょうか?
例えば焦点距離50mmのレンズを100mmにすれば、被写体は2倍の大きさになるはずです。(多分)
一方焦点距離50mmのレンズで、被写体までの距離を半分にすれば、これまた被写体は2倍の大きさになるはずです。(多分)
では撮った写真は同じになるのでしょうか?
そうなる様な気もしますが、そうでない様な気もします。
そんな訳で、今回はその疑問を解き明かしてみたいと思います。
被写体の大きさ
これを解き明かすには、手っ取り早く実際に写真を撮って比べれば良いのです、それでは余りに芸がないので、作図してみる事にしました。
下にある左側の図は、1m先にある被写体を焦点距離50mmと100mmのレンズで撮った場合を示し、右側の図は0.5m先にある被写体を焦点距離50mmのレンズで撮った場合を示します。
この左側の図をご覧頂きます様に、1m先の被写体を50mmのレンズで撮ると人物は画面の半分の大きさになっており、100mmのレンズで撮ると画角が狭まって丁度画面一杯の大きさになっています。
一方右側の図では、50mmのレンズのまま被写体までの距離を半分の0.5mまで近づくと、被写体の大きさは画面一杯になり、100mmのレンズで撮った場合と同じになります。
そんな訳で、レンズの焦点距離を2倍にするのと、同じ焦点距離のまま被写体までの距離を半分にするのとでは、撮った写真は同じなります。
と言いたい所なのですが、実はそうでもないのです。
何故だか分かりますでしょうか?
そうなのです。
背景の写り込む量が変わっているのです。
背景の写り込む量
例えば下の図の様に、被写体の背後にもう一人別の人物がいたとします。
すると左側の図をご覧頂きます様に、100mmのレンズで撮った場合、背後の人物の肩までが画角の中に入っているのに対して、右側の図においては背景の人物の顔までが入っています。
そんな訳で、レンズの焦点距離を2倍にするのと、同じ焦点距離のまま被写体までの距離を半分にするのとでは、背景の写り込む量がかわるのです。
まとめ
そんな訳で、まとめますと以下の様になります。
レンズの焦点距離を2倍にするのと、同じ焦点距離のまま被写体までの距離を半分にするのとでは、被写体の大きさは同じになる。
ただし背景の写り込む量は異なる。
そしてもう一つお伝えしなければならない事があります。
大きさが同じになると言うのは、あくまでも被写体が(テストチャートの様に)平面の場合に成り立つ事です。
このため、もし被写体が人物の様に立体的だとしますと、余りに被写体に近付くと歪みが発生しますのでご注意を。
そう考えると、人物をアップで撮る場合、人物に近付くのではなく、ズームインした方が良いと言えます。
そうなると、やっぱりパワーズームレンズが欲しい。
コメントを残す コメントをキャンセル
コメントを投稿するにはログインしてください。