2021/11/8
何かと便利な手振れ補正ですが、皆様はどうお使いでしょうか?
恐らく大半の方は、常時ONにされているのではないでしょうか。
かくいう幣サイトもそうなのですが、とある記事を書いている最中にフト思い付きました。
手振れ補正を常時ONにするのは、間違いではないかと。
そう聞かれると、何とバカな事を言っているのだと思われるかもしれませんが、先ずは話を聞いてみて下さい。
目次
手振れ補正の効果
既に良くご存知だと思うのですが、先ずは手ブレ補正の効果を確認しておきたいと思います。
使用したカメラとレンズは、下にありますEOS R6とRF85mm F1.2L USMです。
生憎RF85mm F1.2L USMにはレンズ内手ブレ補正は搭載されていないのですが、EOS R6のボディー内手ブレ補正だけで何と8段分の手ブレ補正効果があるとの事です。
この組み合わせで、1.5m程離れた壁掛けカレンダーを手持ちで撮った写真が以下になります。
画像が小さくて恐縮ですが、上は全て手振れ補正をOFFにして撮った写真です。
これをご覧いただきます様に、1/30秒まではほぼ手振れ無しで撮れたものの、1/15秒辺りから軽微なブレが発生し、1/4秒では使い物にならないレベルのブレが発生しました。
次に手振れ補正をONにした写真です。
その結果、何と1/2秒まで手振れを抑える事ができました。
と、ここまでは良く知られている話ですが、問題はこれからです。
現実
では今までにこの85mmのレンズを使って、手振れ補正効果が出始める1/30秒以下の低速で撮影した事があるかと訊かれれば、ゼロではないものの、それは限りなく少ないという事です。
何故ならば、被写体ブレを抑えるため、通常なら1/125秒以上のシャッタースピードを使うからです。
という事は、折角手ブレ補正をONにしていながら、実は手振れ補正の恩恵を全く享受していないという事です。
また感覚的に考えると、手ぶれ補正をONしていれば1/125秒以上のシャッタースピードを使っても手振れ補正の効果がある様に思ってしまいます。
ところが、よくよく考えてみると、手振れ補正がOFFでもブレていないのですから、撮った写真を見比べても差がある訳がありません。
手ぶれ補正の弊害
とは言え、折角手振れ補正機能が付いているのだから、常時ONにしておこうという気持ちにもなります。
ですが、手振れ補正をONにすれば、当然ながらその分電池を消耗します。
またボディー内手振れ補正の場合、下の様にレンズ中心部より画質の劣るイメージサークル端部の画像を取り込む事になります。
すなわち僅かとは言え、画質が低下する可能性があるのです。
まとめ
そんな訳で、ブレてもいない写真のために、常時手振れ補正をONにするのは、考え物だと結論付けたいのですがいかがでしょうか。
このため、レンズの焦点距離とシャッタースピードの組み合わせによって、自動で手振れ補正をON/OFFしてくれれば良い様に思うのですが、どうなんでしょう?
そして最後にもう一つ。
ただし動画撮影においては、常に手振れ補正の効果が得られますので、常時ONにすべきです。
と言いたい所ですが、これもジンバルを使う限り無用と言えます。
そんな訳で、以前なら手振れ補正効果8段は画期的だと思ったのですが、(敢て手持ちの夜景撮影でもしない限り)日常使いであればボディー内手振れ補正の無い機種でも、全く問題ないと思う今日この頃です。