Pモードの知られざる素晴らしさ

はじめに

カメラのP(プログラム)モードと聞くと何となく初心者向けの露出モードだと思われていますが、実は知られざるメリットがあるという話をしたいと思います。

24mmの時の露出パタン

下はEOS R6RF24-105mm F4 L IS USMを付けた場合のPモードにおける露出パタンで、焦点距離は広角端の24mmにしています。

これをご覧頂きます様にEV10(陳列棚の明るさ)まではISO100で撮り続け、それより暗くなるとISO感度上げて絞り開放のF4、シャッタースピード1/60秒を維持しています。

この場合焦点距離が24mmの広角なので、シャッタースピードはもっと遅くしても良さそうなのですが、1/60秒に留めています。

また強力な手振れ補正を搭載していますので、それを全く考慮していません。

この理由は恐らく、一番撮影する機会が多いであろう人物を撮る場合を考慮して、被写体ブレを抑えるためなのでしょう。

この露出パタンを見るだけで、キヤノンの設計思想を何となく垣間見る事ができます。

そしてEV4(暗い室内)より暗くなると、絞り開放のままシャッタースピードを徐々に遅くしていきます。

恐らくこのEV4近辺が、通常の撮影から特殊な撮影環境に変わるボーダーラインと想定しているのでしょう。

ではこのズームレンズの焦点距離を変えたらどうなるでしょうか?

ご推察通り、この露出パタンは変わるのです。

105mmの時の露出パタン

下は一気に望遠端の105mmに設定した場合です。

ご覧の通り、中庸部分の明るさに於けるシャッタスピードが、1/60秒から1/125秒に変化しました。

これは手振れを抑えるのもあるのでしょうが、やはり望遠になると被写体ブレを拾い易い事を考慮した結果なのでしょう。

という訳でPモードを使うと、ズーミングを行なうとその焦点距離に最適なシャッタースピードに自動的に変えてくれるのです。

こんな芸当は、通好みのM(マニュアルモード)やAv(絞り優先)モードを使っている限り決してできません。

これだけ見ても、Pモードの素晴らしさをご理解頂けたのではないでしょうか。

50mmの時の露出パタン

ついでに50mmにした場合の露出パタンを見ておきましょう。

これをご覧頂きます様に、24mmの時と比べると中庸部分の明るさにおけるシャッタースピードは1/60秒のままなものの、1/60秒で撮れる暗さをEV4からEV2に延ばしています。

これも、極力暗闇で被写体ブレを抑えるのが目的なのでしょう。

こんな事を人知れずやってくれるとは、ありがたい限りです。

まとめ

まとめとしましては、

Pモードは初心者用と思われているものの、ズーミングと同時に(手動ではほぼ不可能な)シャッタースピードを自動で変更して、少しでも安全サイドで撮れる様にしてくれる優れものである

と言えます。

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