4:2:2と4:2:0の違いを分かり易く解説

はじめに

先般以下の記事で動画のカラーサンプリング(クロマサブサンプリング)の概要をお伝えした。

動画のカラーサンプリングとは

ですが、肝心要のカラーサンプリングの仕組みお伝えしていなかったので、今回はそれを分かり易く解説したいと思います。

カラーサンプリングの仕組み

ネットでカラーサンプリングについて調べると、いきなり下の様な図が何の解説もなく載っています。

さすがにこれだけ見て、何を意味するか分かる方はいらっしゃらないでしょう。

そんな訳で、先ずは図の上にある数値の意味をお話します。

これは左からY:Cr:Cbの値を示しており、最初の数字である4(Y)は輝度を表し、これは上の図にはありませんが、8画素分の情報を持っています。

そして次に続く数値(CrとCb)が、下にあります様に上段と下段にある画素数を表していると思って頂いて良いでしょう。

ここまでお話すると、何となく分かってくるのではないでしょうか。

すなわち4:2:2とは、4:4:4の上段と下段にあった4画素を間引いて2画素にしてデータ量を半分に減らしているのです。

さらに4:2:0とは、4:2:2の下段を間引いてデータ量を1/4に減らしたものになります。

ただし先ほどお話しました様に、どれもここには表示されていない輝度情報を8画素分持っているので、トータルでは2/31/2になります。

これでカラーサンプリングの仕組みが分かって頂いたと思うので、次はこれによって実際の画像がどう変化するか見てみたいと思います。

カラーサンプリングした画像の見え方

今までお見せした4:4:4のカラー配列は、あくまでも説明用のもので、現実的には1画素がこれほど明確に色味が異なる事などあり得ないでしょう。

そんな訳で、もっと現実的なカラー配列にして、さらに画素数を2倍に増やしたのが以下になります。

本来ならばこれに輝度情報が加わるのでもっと見栄えが良くなるのですが、もし輝度情報がどの画素も同じだとすると、これを遠くから見比べれば見え方に大した差は無いのを分かって頂けると思います。

ただし上の様に色の変化が少ない場合は良いのですが、色の変わり目になるとそうも言えないのです。

上の図をご覧頂きます様に、間引き量が多くなるにつれて色の変わり目のギザギザが徐々に大きく且つ目立ってきているのが分かって頂けると思います。

そんな訳で、カラーサンプリングの間引きを多くすると、色の境界部分の解像度が低下する事になるのです。

このため色の境界線を重視するようなクロマキーの撮影においては、カラーサンプリングの間引きは控えた方が良いのは間違いありません。

またフレーム内圧縮(H.264、H.265)やフレーム間圧縮(Long GOP、ALL-I)は、殆ど画像には影響しませんが、カラーサンプリングは軽微とは言え直接画像に影響します。

まとめ

以上をまとめますと、以下の様になります。

カラーサンプリングとは、画像の見え方に大きな影響を与えずに動画の色情報を間引く手法である。

これによって、4:2:2にするとデータ量を2/3に、4:2:0にするとデータ量を1/2に減らせる。

ただし色情報を間引くと、色の境目の解像度が低下する。

このためもし境目の解像度を上げたい、でもデータ量は少しでも減らしたいのらなば、動画フォーマットはMP4で、コーデックはH.265にして、4:2:2もしくは4:4:4するのが望ましい。

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