2022/02/24
これは本当に便利です。
この所、JPEGファイルの容量からEOS R6のノイズレベルを測定していますが、今回はそれを使って星空ポートレートに最適な露出設定を調べてみました。
多少のバラツキはありますが、星空撮影の代表的な露出設定値はISO6400、F4.0、30秒のEV-7前後です。
この場合、以下の様な露出の組み合わせでもEV-7になります。
# | ISO感度 | 絞り | シャッタースピード | EV値 |
1 | 12800 | F4.0 | 15秒 | EV-7 |
2 | 6400 | F4.0 | 30秒 | EV-7 |
3 | 6400 | F2.8 | 15秒 | EV-7 |
4 | 3200 | F2.8 | 30秒 | EV-7 |
そうなると星空を撮るだけならば、当然ながらISO感度が低くてノイズが最も少ないであろう#4(ISO3200、F2.8、30秒)の設定を選ぶのでしょう。
また星空と人物を一緒に撮るのであれば、被写界深度を深くするために#2(ISO6400、F4.0、30秒)の設定を選ぶ事になるのでしょう。
今まではその設定で何の疑いも持たなかったのですが、ノイズレベルを定量的に把握できる様になったので、実際にこの設定が正しいかどうか調べてみました。
その結果が以下になります。
このチャートは、EOS R6でEV-7になる露出の組み合わせで撮った場合のノイズレベルを表しています。
これから、全く予想外の事が分かります。
先ず左の赤丸を見て頂けますでしょうか。
既にお伝えした#4(ISO3200、F2.8、30秒)と#2(ISO6400、F4.0、30秒)の設定では、当然ながら#4の方がノイズが少ないと思っていたら、実際はほぼ同じではありませんか。
この理由は下のチャートにあります様に、EOS R6においてはISO3200よりISO6400の方が僅かながらノイズレベルが低いからなのでしょう。
このため、少なくともEOS R6においては、星空を撮るだけであっても#2(ISO6400、F4.0、30秒)の設定で撮った方がピンボケを防ぐ事ができる分お勧めになります。
次に中央の赤丸をご覧下さい。
今までは、シャッタースピードを30秒にした方が(ISO感度を低く抑えられるので)ノイズの少ない写真が撮れると思っていたのですが、何とシャッタスピードを15秒にしても30秒のときと同じノイズレベルではありませんか。
これはかなりビックリな話ではないでしょうか。
恐らくこの理由は、ISO感度が低くなって高感度ノイズが減ったものの、シャッタースピードが延びた事により長時間ノイズが増え、両者に差が無くなったためと思われます。
そうなると今後星空ポートレートを撮るに当たっては、当然ながら(被写体ブレを抑えられる)ISO12800、F4.0、15秒で撮るのがベストと言えます。
また星空だけ撮る場合も、(時間を節約できるので)こちらがお勧めになります。
最後に右側の赤丸を見て頂けますでしょうか。
この場合は、シャッタースピードを8秒にできますので、星空のタイムラプス等に最適かもしれません。
まとめると以下の様になります。
シチュエーション | ISO感度 | 絞り | シャッタースピード |
星空撮影 星空ポートレート | 12800 | F4.0 | 15秒 |
星空タイムラプス | 6400 | F2.0 | 8秒 |
星空ノイズ最小 | 1300 | F1.8 | 30秒 |
なお上記はあくまでも手元にあるEOS R6の場合ですが、恐らく他機種においても似た様な傾向があると思いますので、もし興味がある方は是非ご自分のカメラで似た様な設定で撮ったJPEGファイルの容量を調べてみる事をお勧めする次第です。
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