フルサイズ機と1インチサイズ機の画質の差

2022/03/16

いやはや、予想外の結果が出てしまいました。

当然ながら(何も考えずに)フルサイズ機と小サイズ機を撮り比べれば、フルサイズ機の方が画質が良いのは間違いありません。

ですが、たとえフルサイズ機であっても絞りを絞って且つISO感度を上げて小サイズ機と同じ画角で同じ被写界深度にすると、理論上画質も同じになる筈です。

すなわち1画素当たりの受光量を同じにすれば、理論的に画質は同じになるであろうという考えです。

そんな訳で、フルサイズ機と1インチサイズ機を使って、同じ画角の同じ被写界深度にした写真を撮ってみました。

同じ2000万画素のEOS R6+RF24mm F4L USMとG7 X Mark III

この場合、同じ画素数であれば撮像素子の面積が7.4倍異なりますので、フルサイズの絞りを1インチサイズ機より1.4段絞って、ISO感度を2.9段上げれば同じになります。

フルサイズは1インチサイズの7.4倍

予想としては、レンズ固定式の1インチサイズ機の方が、レンズが小さい分解像度は高く、撮像素子上のマイクロレンズを専用設計できるのでむしろ画質は良いのではないかと思っていたのですが、とんでもない結果になってしまいました。

先ずは下の2枚の写真をご覧下さい。

EOS R6(24mm F5.0 1/8000秒 ISO1000) G7 X Mark III(24mm F1.8 1/8000秒 ISO125)

明るさが若干異なりますが、背景のボケ量が同じなので、どちらがフルサイズ機で撮ったか俄(にわ)かには判別できないでしょう。

ところが、この2枚の写真の中央部分を拡大したのが、以下になります。

EOS R6(24mm F5.0 1/8000秒 ISO1000) G7 X Mark III(24mm F1.8 1/8000秒 ISO125)

ご覧の通り、1インチサイズ機の方がコントラストも低く、文字の周囲に偽色の様な色ムラも発生しています。

一瞬ピントが合っていないのではないかと思ったのですが、何度撮り直しても同じです。

今までにこんな試験はやった事が無かったんですが、よもやこんなにも画質が違うとは驚きです。

これを知った上で先ほどの拡大前の画像をもう一度見ると、フルサイズ機の方が何となく抜けが良い(クリアな)気がしないでもありません。

生憎これがG7 X Mark IIIのレンズの性能なのか、それとも本体の撮像素子に起因するのか、或いは個体差によるものか、それとも1インチサイズ機はどれも似たり寄ったりなのか、これ以上調べる手立てはないのですが、少なくとも(背景をボカス必要のない撮影でも)本機を積極的に使うのは控えた方が良さそうです。

またもう一つ言える事は、もし新しいカメラなりレンズを購入した際は、単に試し撮りをするのではなく、極力試験条件を同じにして基準(refarence)となるカメラやレンズと比較した方が良さそうです。

撮った写真を1枚だけ見ても、誰にも判断なんかできないでしょう。