望遠レンズの様に長くて重いレンズを使う場合は、重いカメラの方が軽くなる。
と聞けば、何をバカな事を言っているのだと思われる事でしょう。
ですがそうでもないのです、という話をしたいと思います。
先ずは二つの物理的な事象をご紹介しましょう。
一つ目は下にあります様に、重い荷物を持ち上げるシーンです。
左が正しい持ち上げ方で、右の様な持ち上げ方ですと、間違いなく腰を痛めてしまいます。
それ以前に、持ち上げる事自体が不可能かもしれません。
その理由は荷物の重心(赤い矢印)と身体の重心線(黄色い線)が離れているため、荷物の重さに回転モーメントが加わって、更に重くなるからです。
ですので、重い物を持つときは極力荷物の重心位置を身体に近付けなければなりません。
続いて2点目は、重いレンズにカメラを装着した場合の重心位置です。
下の2枚の絵を見て頂ければ、凡そ察しは付く事でしょう。
重いレンズに軽いカメラを装着すると、カメラ全体の重心位置は依然レンズの中心部分にあります。
ところが、重いカメラを装着するとカメラ全体の重心位置はカメラ側に寄るのです。
すなわち、身体の近づくのです。
これによって無駄に腕を伸ばさなくて済む分、(多少重くなっても)カメラ全体を少ない力で支えられるのです。
想像し易い話をすると、腕を伸ばしてダンベルを持つのと、腕を曲げて持つのでは、後者の方が遥かに楽なのは間違いないでしょう。
という訳で、重いレンズを使うときは、重いカメラを使った方が良いという話でした。
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