2022/02/16
OM-1がクアッドピクセルAFを採用したのがかなりの驚きだったのですが、折角ですのでそれ以外の機能についても、思い付いた事をメモしておきたいと思います。
目次
ISO感度(ISO25600→ISO102400)
先ず一つ目が、ISO感度です。
マイクロ4/3で2000万画素という事は、フルサイズに換算すると8000万画素になります。
それでいて最大常用ISO感度102400を達成するというのは、デュアルレゾルーションの様な飛んでもない裏技を使ったのではないかと思ったのですが、そうでもありませんでした。
従来の最大常用ISO感度である25400と102400では、倍率で4倍、段数で2段も違います。
この内の1段分は、撮像素子が表面照射から裏面照射型になり1画素の受光面が拡がったせいで、もう1段は作像エンジンの性能アップに伴い、ノイズ処理が向上したからなのでしょう。
そうなると画質的には、1段分の感度アップと見た方が良いかもしれません。
またついでにお伝えしておきますと、マイクロ4/3機はどれも最小常用ISO感度がISO200始まりになっています。
そんな訳でマイクロ4/3機は、ISO100の高画質を捨てて高感度を優先しているとも言えない事もありません。
防塵防滴(IPX1→IP53)
従来モデルの防塵防滴性能は、IPX1のだったのですが、それがIP53に向上しました。
それが意味する所は、以下の通りです。
防塵 | 防滴 | |
IPX1 | X:非対応 | 1:垂直に落ちて来る水滴によって有害な影響を受けない。 |
IP53 | 5:機器の正常な作動に支障をきたしたり、安全を損なう程の量の粉塵が内部に侵入しない。 | 3:垂直より左右60度以内からの降雨によって有害な影響を受けない。 |
IP68 (iPhone 13) |
6:粉塵の侵入が完全に防護されている。 | 8:水面下での使用が可能 |
防塵には以前からそれなりに対応していたのですが、今回は正式にIP規格のレベル5を取得したという事です。
また防滴については、従来は真上から落ちてくる水滴に対応していたのが、今回は斜め横60度の水滴にも対応したとの事です。
ここまでくると、もし海水や泥水が掛かってしまった場合、(かなり勇気がいりますが)水道水で水洗いできそうな気がしないでもありません。
マルチショットNR
幣サイトが最も期待していのが、マルチショットNR(ノイズリダクション)の搭載です。(詳細はこちら)
撮像素子の小さなマイクロ4/3機においてフルサイズ機並みに画質向上を図る最も有効な手段は、マルチショットNRにあると思っていたのですが、残念ながらそれは盛り込まれませんでした。
ただしコンピュテーショナル撮影メニューの中にあるハイレゾショットやらライブND撮影などは、全てマルチショットNRの親戚の様なものです。
このため、もしかしたらバージョンアップで後日マルチショットNRが追加されるのではないかと期待するのですが、どうなのでしょうか。
電子シャッター幕速度(1/50秒→1/100秒)
ガッカリだったのはこれです。
仕様書を見ると、電子シャッターでのストロボ同調速度が1/100秒との事ですので、電子シャッターの幕速度(スキャン速度)は1/100秒なのでしょう。
撮像素子が積層型になったのですから、幕速度1/250秒以上を達成してメカシャッターレスを期待していたのですが、残念ながらそれは無理だった様です。
もしかしたら1画素を4等分したクアッドピクセルAFを採用したから幕速度が遅くなるのは当然と思われるかもしれませんが、撮影中は2000万画素で画像を呼び出しますので、そんな事はありません。
マイクロ4/3機でメカシャッターレスになるのは、まだ数年先の様な感じです。
電子先幕シャッター(1/320秒~60秒)
電子シャッターのシンクロスピードを調べていて、面白い事に気付きました。
それは下の表にあります様に電子先幕シャッターの有効範囲が、1/320秒~60秒になっている事です。
ちなみにメカシャッターは1/8000秒まで対応していますので、電子先幕シャッターも当然1/8000秒まで使える筈です。
にも関わらず1/320秒より高速にするとフォーカルプレーンシャッターに切り替わるという事は、恐らくボケ欠け対策なのでしょう。
以前フルサイズ機で調べた所、電子先幕シャッターであっても1/500秒以下であれば絞りF1.2でもボケ欠けは発生しない事から、電子先幕シャッターを1/320秒までとしたのでしょう。
これはうらやましい機能です。
是非他社機も見習ってほしいものです。
動画(4K30P→4K60P)
動画機能は従来4K30P(C4K24P)までだったのが、OM-1では4K60P(C4K60P)まで進歩しました。
またハイスピード撮影では、従来FHD120fpsだったのに対して、FHD240fpsまで可能になっていますので、普通使いでしたら全く問題ないと言えるでしょう。
ただし4K120Pは非対応ですので、この辺は動画重視のLumix GH6に譲る感じでしょうか。