α7C IIを買うと幸せになるのか?(α7C II vs. α6700)

相変わらずソニーの小型フルサイズミラーレスカメラであるα7C IIが売れている様です。

これに小型のキットレンズを付けるのであれば、APS-Cサイズ機のα6700を買えば良いのにと思わないではいられません。

α7C II(25万円)とα6700(19万円)

では何故そう言えるのかについて、長々と述べてみたいと思います。

α7C IIの方が6万円高い

α7C II(25万円)とα6700(19万円)の価格差は、6万円です。

両機とも電子ファインダーボディー内手振れ補正を搭載しており、画像処理エンジンも同じBIONZ XRですので、この価格差は撮像素子の差だと思って良さそうです。

ではこの価格差をどうみるかですが、折角20万円近くも出してカメラを買うなら、思い切って(あと6万円出して)画質の良いフルサイズにしようと思うのかもしれません。

α7C IIの方が1.8倍高画質

そうなると次に、両者の画質(ノイズレベル)を比べてみたいと思います。

フルサイズとAPS-Cサイズでは撮像素子の大きさが2.3倍異なります。

このため画質(ノイズレベル)が1画素の大きさに比例するとしたら、同じ画素数であればフルサイズの方が2.3倍(1.2段)高画質だと言えます。

ただしα7C II3300万画素なのに対してα6700は2600万画素ですので、残念ながら1.8倍(0.8段)に低下します。

画素数が増えたとは言え、折角フルサイズ機を買っても画質が2倍(1段分)良くならない、というのは少々寂しいものがあります。

α6700でα7C IIと同じ写真が撮れる

それでは次にレンズを装着して同じ写真、すなわち両者で同じ画角の同じボケ量の写真を撮れるかどうか考えてみます。

α6700でα7C IIと同じ写真が撮れるのか?

例えばα7C IIのキットズームレンズは、下の写真にありますFE 28-60mm F4-5.6(4.5万円)です。

α7C II+キットズームレンズ(FE 28-60mm F4-5.6)

ではこのレンズと同じ画角で同じボケを表現できるAPS-Cサイズ用のレンズは何かとなれば、理論上(全て対角線比の1.5で割って)18-40mm F2.7-F3.7になります。

これに近いEマウントレンズがあるか調べてみた所、シグマの 18-50mm F2.8 DC DN(Eマウント用7.5万円)がありました。

シグマの 18-50mm F2.8 DC DN(Eマウント用7.5万円)

これは望遠端が40mmから50mmに伸びて、絞りもF2.8通しになるため少々大柄になりますが、このレンズを使えば、α7C II+キットズームレンズと同等もしくはそれ以上の写真が撮れてしまうのです。

それでいながら、α7C II+キットズームレンズを買うより3万円お安くなるのです。

それでもα7C IIを買いますか?

小型の単焦点レンズを付けてもα6700の方が安い

話が長くなってしまいますが、ついでにα7Cシリーズ用に開発された下にある小型軽量の(暗い)単焦点レンズを装着した場合についても見ておきます。

FE 24mm F2.8 G(8万円)   FE 40mm F2.5 G(8.5万円)   FE 50mm F2.5 G(8.5万円)

このレンズ達と同じ画角で且つ同じボケの写真をAPS-Cサイズ機のα6700で撮るには、理論上(全て1.5で割って)以下のレンズが必要になります。

16mm F1.9     27mm F1.7     33mm F1.7

生憎これにピッタリ合致するEマウントレンズは無いのですが、近い物では以下があります。

E 15mm F1.4 G(8.5万円)、Sonnar T* E 24mm F1.8 ZA(9万円)、E 35mm F1.8 OSS(5万円)

これをご覧頂きます様に、短焦点レンズを装着した場合においても、依然α6700の方がお安くなるのです。

実は画質も一緒になる

さてここまでは、α7C IIに暗いレンズを装着する限りα6700でも同じ画角の同じボケ量の写真を撮れる、とお伝えしてきました。

ただし既にお伝えした様に、α7C IIはα6700より1.8倍(0.8段)画質が良いという輝かしいアドバンテージがあります。

ですので、同じ画角の同じボケ量の写真であっても、α7C IIの方が画質が良いと思われる事でしょう。

ところがどっこい、実は画質も一緒になってしまうのです。

例えばα7C IIに、単焦点レンズのFE 40mm F2.5 Gを装着したとします。

そしてα6700に、画角もボケ量も全く同じになる(実在しませんが)16mm F1.9のレンズを装着したとします。

この場合、絞り開放で撮ればいずれも画角もボケ量も同じになります。

ですがそのときレンズの絞り値は、F2.5F1.9と0.8段異なるのです。

すなわちα6700は、(画角もボケ量も同じながら)絞りが0.8段分明るい分、(シャッタースピードが同じであれば)ISO感度を0.8段下げられます。

するとこれによって、α7C IIの0.8段のアドバンテージは無くなって、(画角もボケ量も)画質も同じになってしまうのです。

まとめ

そんな訳で、折角フルサイズのα7C IIを購入しても、小型軽量の暗いレンズを装着する限り、結局の所α6700と同じ写真しか撮れないという事です。

ではどれくらい明るいレンズを装着すればα6700を確実に上回る事ができるかと言えば、ズームレンズで言えばF4以上、単焦点レンズで言えばF2以上のレンズが必要になります。

もしα7C IIを買っても暗いレンズしか使わないのであれば、α6700にした方が賢明だと言うお話でした。

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