動画機に不要な物

はじめに

何だかんだと言いながら、これからは動画が主流になっていくのは、間違いないでしょう。

このためソニーから、業務用動画機であるFXシリーズ(シネマライン)や、一般向け動画機であるVLOGCAMシリーズが、矢継ぎ早に登場しています。

それで思ったのですが、これらの動画機はファインダーは無いものの、メカシャッターは搭載しているのでしょうか?

はたまたボディー内手振れ補正はどうなのでしょうか?

ふと気になって調べてみました。

FXシリーズ

先ずFXシリーズは以下の様になります。


FX6
フルサイズ
1026万画素
メカシャッター無し
ボディー内手振れ補正無し
NDフィルター内蔵
空冷ファン内蔵

FX3
フルサイズ
1026万画素
メカシャッター有り
ボディー内手振れ補正有り
NDフィルター無し
空冷ファン内蔵

FX30
APS-Cサイズ
2600万画素
メカシャッター有り
ボディー内手振れ補正有り
NDフィルター無し
空冷ファン内蔵

ご覧の通りで、生粋の業務用動画機とも言えるFX6は、メカシャッターとボディー内手振れ補正は無いものの、NDフィルターは内蔵しています。

それに対してFX3FX30は、NDフィルターは無いものの、メカシャッターとボディー内手振れ補正は搭載しています。

恐らくこれは、FX6が動画機としての専用設計であるのに対して、FX3FX30はミラーレスカメラであるα7S IIIを流用したからなのでしょう。


α7S III

とは言いながらも、付いている物(ユニット)を外すのは、そんなに大変な事ではありません。

そう考えると、ソニーとしては(業務機と言えども)低価格帯の動画機にはまだ静止画撮影機能は残しておいた方が良いと判断したのかもしれません。

またここで興味深いのは、少なくともメカシャッターが無い場合であれば、フランジバックの短いEマウントにおいても可変NDフィルターは入れられるという事です。

VLOGCAMシリーズ

続いては、VLOGCAMシリーズです。


ZV-1
1インチサイズ
24-70mm
メカシャッター有り
ボディー内手振れ補正無し

ZV-1F
1インチサイズ
20mm
メカシャッター無し
ボディー内手振れ補正無し

ZV-1 II
1インチサイズ
18-50mm
メカシャッター無し
ボディー内手振れ補正無し

ZV-E10
APS-Cサイズ
レンズ交換式
メカシャッター有り
ボディー内手振れ補正無し

ZV-E1
フルサイズ
レンズ交換式
メカシャッター無し
ボディー内手振れ補正有り

これもメカシャッターとボディー内手振れ補正が有ったり、無かったりと様々です。

ただし、例えばZV-1はサイバーショットのRX100Vaの流用でしょうから、レンズシャッターはそのまま残したのかもしれません。


RX100M5A

一方ZV-1FZV-1IIは、レンズが専用設計ですので、敢てレンズシャッターを追加する必要は無いと判断したのでしょう。

そしてAPS-CサイズのZV-E10は、α6100辺りを流用したのでしょうから、メカシャッターもそのまま引き継いだのかもしれません。


α6100

興味深いのは、フルサイズのZV-E1です。

これはFX-3と同様にα7S IIIを流用したのでしょうが、何とメカシャッターを削除しながらもボディー内手振れ補正を残してきました。

という事は、動画用の機能としてボディー内手振れ補正を残したという事です。

これさえ削除すれば25万円前後にまで価格を抑えられたと思うのですが、何故残したのでしょうか?

その場に停止した状態での動画撮影であれば、ボディー内手振れ補正もそれなりに役に立ちますが、一歩でも歩けばとてもじゃありませんがブレブレで見れたもんじゃありません。

ソニーとしては、動画においてもボディー内手振れ補正は有効と思っているのでしょうか?

ちなみにキヤノンの業務用動画機であるEOS R5 Cは、EOS R5からメカシャッターとボディー内手振れ補正を削除しています。

EOS R5とEOS R5 C

まとめ

以上を無理やりまとめると、以下の様な感じでしょうか。

動画機 備えている物
高級(FX6) 空冷ファン
NDフィルター
中級(FX3、FX30) 空冷ファン
メカシャッター
ボディー内手振れ補正
普及(ZV-E1) ボディー内手振れ補正
入門(ZV-1、ZV-1F、ZV-1 II、ZV-E10)

動画主体ならばメカシャッターが不要なのは間違い無いのですが、果たしてボディー内手振れ補正は必要なのでしょうか?

今後に注目です。

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