2021/11/30
皆様は、殆どのキヤノン機に付いているオートライティングオプティマイザを使われていますでしょうか。
これはデフォルトで標準設定になっているのと、キヤノンの現像ソフトであるDigital Photo Professionalを使えば後で設定を変えられるので、恐らく大半の方がそのまま使用されているのではないでしょうか。
ちなみにオートライティングオプティマイザとは、キヤノンの説明によれば以下との事です。
オートライティングオプティマイザは、露出が背景に影響されやすく顔が暗くなりがちな逆光時のポートレート撮影で使ってみたい機能です。
「顔検知」機能を搭載したカメラなら、逆光での人物撮影に効果的。露出が背景に影響されて顔が暗くなりがちな逆光時でも、顔がすっきりと気持ちのいい明るさに! 目への影響があるのでストロボ光を使えない赤ちゃんの撮影では、ぜひ活用したいですね。
注意ポイント
●撮影条件などによっては、ノイズが増えることがあります。
●効果が強すぎるときは、「弱め」「しない」に設定しましょう。
良い事づくめの様に思ってしまいますが、注意ポイントにある様に、所詮デジタルの画像処理ですので、逆光を補正した分どこかにしわ寄せが出る筈です。
そんな訳で、本来なら逆光で試すべきなのですが、(マネキンを引っ張り出してきたついでに)部屋撮りでオートライティングオプティマイザの効果と弊害についても調べてみる事にしました。
どんな結果になるか、お楽しみに。
目次
試験条件
使用する機材はEOS R6+RF24-105mm H4L USMで、天井の蛍光灯下にある1.5m程先にあるマネキンを撮っていきます。
撮影する条件は、以下の通りです。
ISO\設定 | オートライティングオプティマイザのレベル | |||
OFF | 弱め | 標準 | 強め | |
ISO100 | ● | ● | ● | ● |
ISO12800 | ● | ● | ● | ● |
ISO102400 | ● | ● | ● | ● |
ISO100の場合
それでは早速試験結果をお見せしましょう。
先ずは、ISO100でオートライティングオプティマイザのレベルを徐々に強めた写真です。
これをご覧頂きます様に、オートライティングオプティマイザをいくら強めても、この様な環境では殆ど画像に変化はない様です。
念のため、OFFと強の画像を比べてみた結果が以下になります。
これで見ると背景が僅かに明るくなっているのが分かるのですが、マネキンの顔は殆ど変化はありません。
どうやら逆光で撮らないと、オートライティングオプティマイザの効果は期待できない様です。
とは言え、折角なのでOFFと強の拡大写真も見ておきます。
ここまで拡大すると、強画像の方が僅かに明るくなっているのが分かりますが、特に画質の劣化は見当たりません。
むしろパッと見には、オートライティングオプティマイザ強の方が肌が滑らかで、画質が良い様にすら感じます。
これから言える事は、この様な室内環境であればオートライティングオプティマイザの効果は限定的で、それに伴って弊害もなく、敢てOFFにする理由も見当たらないといった所でしょうか。
ISO12800の場合
これで終わりにしても良いのですが、念のためにISO12800でも見ておきます。
この場合もISO100と同じ傾向と言って良いでしょう。
OFFと強の拡大写真を見ておきます。
これを見てもやはり強の方が好印象です。
ISO102400
最後に、ISO感度を最大値の102400まで上げて拡大してみます。
この場合も、オートライティングオプティマイザを強にした事による弊害は見られないと言って良いでしょう。
まとめ
以上をまとめますと、以下の様になります。
①オートライティングオプティマイザを室内で使っても、その効果は甚だ限定的である。
②このため特段の弊害もなく、むしろ僅かに明るくなるためか、画質が良くなった様な印象さえ受ける。
③このため、少なくともこの様な室内環境であれば、オートライティングオプティマイザをOFFにする必要はなく、むしろ強にして使った方が良いくらいである。
そうなると、次回は逆光で試してみるしかありません。
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