目次
はじめに
NIKKOR Z 135mm f/1.8 S Plenaが発表されました。
Plenaなる固有の称号が与えられましたので、ニコンにとって相当の自信作なのでしょう。
キャッチフレーズは、”洗練された描写で、幻想的な映像表現を可能にする中望遠単焦点レンズ”という事で、絞り開放から大きく美しい玉ボケを実現したそうです。
推測ですが、恐らくNIKKOR Z 58mm f/0.95 S Noctと同じ設計者なのでしょう。
そうなると、早速このレンズのMTFを他社のレンズと比べてみたくなります。
NIKKOR Z 135mm f/1.8 S PlenaのMTF
下はそのNIKKOR Z 135mm f/1.8 S PlenaのMTFなのですが、残念ながらこれを見る限り超弩級のMTFとは思えません。
とは言いながら、比較する物がなければ、正確な判断は下せません。
RF135mm F1.8 L IS USMのMTF
そんな訳で、比較対象の1本目がキヤノンのRF135mm F1.8 L IS USMのMTFです。
これはどう見ても、RF135mm F1.8 L IS USMの方が上です。
レンズはMTFが全てではないと言いながらも、MTFが良くて何一つ困る事はありません。
なお異なるメーカーのMTFを比較すると、MTFには波動光学と幾何光学があるので安易に比較してはいけないと言うアホが必ずいますが、そんなアホは死ぬまでそう思っておいて頂きましょう。
FE 135mm F1.8 GMのMTF
次はソニーのFE 135mm F1.8 GMです。
これまた、Plenaより上です。
またキヤノンのRF135mm F1.8 L IS USMのと比べると、似たり寄ったりといった所です。
これからすると、どうもNIKKOR Z 135mm f/1.8 S Plenaは、MTFより玉ボケを最優先したレンズの様に思われます。
シグマ
2024/1/24
当初のシグマの135mm F1.8 DG HSMを忘れていたので追加しました。
MTFはご覧の通りでキヤノン、ソニーよりは劣るものの、ニコンより少し上かなといった感じです。
とは言え、他社より大幅に安いのは魅力的です。
まとめ
以上をまとめますと、MTFについてはキヤノン(30万円)とソニー(22万円)がトップクラスで、次がシグマ(13万円)、最下位がニコン(36万円)という事になります。
そうなると、どうやらニコンはこのレンズで隅々まで円形のボケと、他社がアポダイゼーションフィルター等で表現しているマイルドなボケを、(多少MTFを犠牲にしてでも)純粋な光学系だけで成し遂げたかった模様です。
ただし言っときますが、あたしゃ多少隅がレモン形状であっても、エッジのあるボケで、且つMTFの高いレンズの方が好みです。
勝手な推測ですが、この手のレンズは市場の要求と言うより、光学メーカーの技術者がどうしても造りたかったレンズなのではないでしょうか?
それがニコンにとって、NoctなりPlenaの様な固有名詞を付けるか否かの境目(存在意義)なのではないでしょうか。
確かにそんなレンズはあって然るべきです。
(ただし、という話をいつかしたいと思います。)
ニコンとソニー幾何光学的MTFで、キヤノンは波動光学的MTFですね。同列に比較は出来ませんが、波動光学的MTFのキヤノンの方がこの、ニコンの135mmより優れたMTFになっているのは驚きですね。