2022/05/27
目次
はじめに
当然ながら撮像素子が小さくなれば、カメラもレンズも小さく軽くなります。
と言いながらも、Lumix GH6の様にマイクロ4/3でありながらフルサイズ機並みに大きな筐体もあります。
ですが、レンズの場合は同じ画角の同じ開放値ならばほぼ順当に小さくなっている感じです。
ではレンズは、どれくらい小さくなるのでしょうか?
と言う訳で、早速調べてみる事にしました。
理論値
先ずは理論上どれくらい小さくなるかを、1枚のレンズで考えてみます。
レンズの直径
この場合、レンズの直径とも言える有効口径は以下の式で求められます。
有効口径=焦点距離÷F値
これから焦点距離50mm相当で絞りF2.0の場合のレンズの直径を計算すると以下の様になります。
撮像素子\項目 | 焦点距離 | 絞り | 有効口径(直径) | 直径比率 | 面積比率 |
フルサイズ | 50mm | F2.0 | 25mm | 1 | 1 |
APS-Cサイズ | 33mm | F2.0 | 16.7mm | 2/3 | 4/9 |
マイクロ4/3サイズ | 25mm | F2.0 | 12.5mm | 1/2 | 1/4 |
ご覧の通り、APS-Cサイズ用レンズの直径はフルサイズ用に対して2/3、マイクロ4/3サイズ用レンズは半分(1/2)になります。
更に面積比では、APS-Cサイズ用レンズはフルサイズ用に対してほぼ半分(4/9)、マイクロ4/3サイズ用レンズは1/4になります。
レンズの厚み
レンズの面積が分かったので、次は厚みです。
レンズの曲率は同じまま、レンズの直径を変えると厚みは下の様になります。
手っ取り早く作図で求めたのですが、フルサイズに対してAPS-Cサイズがその半分、マイクロ4/3は0.3倍になりました。
体積
では体積比ではどうなるかと言えば、下の表の様になりました。
撮像素子\ディメンション | 縦 | 横 | 奥行 | 体積 |
フルサイズ | 1 | 1 | 1 | 1 |
APS-Cサイズ | 2/3 | 2/3 | 0.5 | 0.2 |
マイクロ4/3サイズ | 1/2 | 1/2 | 0.3 | 0.08 |
ご覧の通りで、フルサイズ用のレンズが100gだとすると、APS-Cサイズ用は20g、マイクロ4/3用はたったの8gになります。
いくら大雑把な試算でも、さすがにそんな事はないでしょう。
と思うものの、消すのも忍びないので、このまま残して次に行きます。
サンプリング
かくなる上は、面倒ですが実際のレンズの重さを調べてみるしかありません。
50mm F1.4相当
先ずは50mm F1.4の標準レンズを比べてみます。
Planar T* FE 50mm F1.4 ZA 778g |
φ65mm 87g |
LEICA DG SUMMILUX 25mm/F1.4 II ASPH φ63mm 205g |
M.ZUIKO DIGITAL 25mm F1.8 137g |
これをご覧頂きます様に、この場合は何とAPS-Cサイズ用レンズよりマイクロ4/3用レンズの方が重くなっています。
ちなみにF1.8になりますが、ZUIKOの標準レンズを参考で載せておきます。
85mm F1.2相当
これでは参考にならないので、次はどこも気合を入れて造っているであろう85mm F1.2相当のレンズで比べてみます。
CANON RF85mm F1.2 L USM 1195g |
FUJIFILM XF56mmF1.2 R φ73mm 405g |
φ74mm 425g |
M.ZUIKO DIGITAL ED 45mm F1.2 PRO φ70mm 410g |
するとこれまたAPS-Cサイズ用レンズより、マイクロ4/3用の方が重くて高価という事になりました。
どうも明るい単焦点レンズは、マイクロ4/3の方が気合を入れて造っている様です。
35mm F1.8相当
これでは全く参考にならないので、次は汎用レンズとも言える35mm F1.8相当のレンズで比べてみます。
RF35mm F1.8 MACRO IS STM 306g |
XF23mmF2 R WR 180g |
EF-M22mm F2 STM 105g |
M.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8 120g |
この場合ですと、キヤノンのお手軽な薄型レンズを除くと、306g:180g:120g(100:60:40)とそれらしい比率になります。
まとめ
あいにく理論値は求める事はできませんでしたが、35mm F1.8のレンズですと、フルサイズ:APS-Cサイズ:マイクロ4/3の比率は5:3:2と言った所です。
ところでこの比率は、レンズの有効口径の比率である1:2/3:1/2(5:3.3:2.5)に近い値なのは偶然なのでしょうか?