2021/12/13
2021/12/22:最大EV値を15から16に変更
先般動画撮影において、動画を明るいレンズを使って絞り開放で撮るには、ND64以上のNDフィルターが必要だとお伝えしました。
では静止画の撮影においては、どれくらいの濃さのNDフィルターが必要なのでしょうか?
普通に考えると、ND4もしくはND8辺りだと思うのですが、ではどちらが妥当のでしょうか?
薄いと絞り開放で撮れませんし、かと言って濃すぎると無駄にISO感度を上げる事になってします。
今回はその点を明確にしたいと思います。
先ず太陽の当たる屋外の明るさですが、これは今までの経験からEV16程度で、これを超える事はまずないと言えます。
この場合、カメラの最高シャッタースピードである1/8000秒を使って、ISO100の絞りF1.4で撮ったとしますと、その時の明るさはEV14になります。
このため、2段減光するND4フィルターで問題ないと言えます。
PRO |
PRO1D |
Zeta |
Lotus |
ZX |
KenkoのND4フィルター(72mm) |
また同じ条件で、絞りF1.2で撮った場合、EV13.5になります。
このため、2.5段減光するND6のフィルターが欲しい所ですが、生憎そんなフィルターはないため、3段減光するND8フィルターが必要になります。
PRO |
PRO1D |
Zeta(77mm) |
Lotus |
ZX |
KenkoのND8フィルター(72mm) |
ついでにF1.8の場合は、同じ条件でEV14.7になり、4/3段減光するだけで済むのですが、生憎その様なフィルターはないので、2段減光するND4フィルターが必要になります。
もしくは1/3段露出オーバーになるのですが、ND2フィルターで済ませる手もあります。
上記の様な考えで、カメラの最高シャッタースピードと、レンズの開放絞り値によってどれくらいのNDフィルターが必要になるか表にしたのが以下になります。
絞り\SS | 1/1000秒 | 1/2000秒 | 1/4000秒 | 1/8000秒 | 1/16000秒 | 1/32000秒 | 1/64000秒 |
F1.2 | ND64 EV10.5 |
ND32 EV11.5 |
ND16 EV12.5 |
ND8 EV13.5 |
ND4 EV14.5 |
ND2 EV15.5 |
不要 EV16.5 |
F1.4 | ND32 EV11.0 |
ND16 EV12.0 |
ND8 EV13.0 |
ND4 EV14.0 |
ND2 EV15.0 |
不要 EV16.0 |
不要 EV17.0 |
F1.8 | ND32 EV11.7 |
ND16 EV12.7 |
ND8 EV13.7 |
ND4 EV14.7 |
ND2 EV15.7 |
不要 EV16.7 |
不要 EV17.7 |
F2.0 | ND16 EV12.0 |
ND8 EV13.0 |
ND4 EV14.0 |
ND2 EV15.0 |
不要 EV16.0 |
不要 EV17.0 |
不要 EV18.0 |
F2.8 | ND8 EV13.0 |
ND4 EV14.0 |
ND2 EV15.0 |
不要 EV16.0 |
不要 EV17.0 |
不要 EV18.0 |
不要 EV19.0 |
ちなみに各セルの下段の数値は、NDフィルター無しで写せる明るさになります。
これをご覧頂きます様に、もしカメラの最高シャタースピードが1/8000秒で、使用するレンズの開放値がF1.4やF1.8ならばND4フィルター、F1.2であればND8のフィルターが必要になります。
ただしF2.8より暗いレンズでしたら、NDフィルターは不要と言えます。
なお動画の場合、最高シャッタースピードが1段低い1/4000秒になったりもしますので、その場合は1段暗いNDフィルターが必要になります。
もし新たに明るい単焦点レンズを購入して、それ用にNDフィルターを購入しようと思ったら、是非この表を思い出して頂ければと思います。
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