NIKKOR Z 35mm f/1.4の衝撃(4K対応の安い大口径レンズが登場した)

はじめに

先日YouTubeにおきまして、動画撮影には安いレンズで十分という話をさせて頂きました。

その中で、4KやFHDの動画撮影においては、高性能レンズは全く以って無用の長物だが、現時点においては低画素を考慮した明るいレンズは全く存在しない、と述べました。

動画内では存在しないと言いましたが、この先そんなレンズが出る事は決してないとさえ思っていました。

ところがです。

信じられない事が起きました。

何とそんなレンズがつい最近登場したのです。

NIKKOR Z 35mm f/1.4

それがニコンのNIKKOR Z 35mm f/1.4です。

NIKKOR Z 35mm f/1.4(94000円)

これがどう素晴らしいかと言えば、最低市場価格が94000円と何とそれより2/3段暗いSレンズのNIKKOR Z 35mm f/1.8 S113000円よりも安いのです。

NIKKOR Z 35mm f/1.8 S(113000円)

これなんです。

正にこれなんです。

これこそ本ブログが求めていたレンズです。

ちなみに両者のMTFを比べてみると、以下の様になります。

これを見る前は、NIKKOR Z 35mm f/1.4NIKKOR Z 35mm f/1.8 SのMTFは相当差があると思っていました。

ところがどうしてどうして、NIKKOR Z 35mm f/1.4もかなり健闘しているではありませんか。

いやはやこれで10万円を切るとは大したものです。

こじつけと言われるでしょうが、NIKKOR Z 35mm f/1.8 S8K対応レンズ、NIKKOR Z 35mm f/1.44K対応レンズと言った感じではないでしょうか。

ちなみにニコンとしては、NIKKOR Z 35mm f/1.4をコストパフォーマンスに優れた明るい広角35mmと呼んでいます。

ご存知の様に現在ニコンでは、Nikon Z 9、Z 8、Z 7の4500万画素のカメラと、Z 6、Z 5、 Z f系の2400万画素のカメラの2種類がありますが、このレンズはその2400万画素機用に開発されたのでしょう。

2400万画素を動画にすると6Kなので、4Kと比べると依然1.5倍も高解像度なのですが、それでも無駄に8K対応のレンズを使って4K動画を撮るより余程合理的ですし、何より金銭的に使えなかったものが使える様になるというのは、それこそ天と地ほどの差があります。

そうなると比べて見たくなるのは、我らがキヤノンです。

RF35mm F1.4 L VCM

キヤノンもつい最近RF35mm F1.4 L VCM(23万円)なる高価なレンズを発表しており、一方RFレンズの立ち上げ時に庶民的とも言えるRF35mm F1.8 MACRO IS STM(7万円)を発売しています。

このMTFを見ると、これまた驚きます。

何とニコンと真反対です。

NIKKOR Z 35mm f/1.8 Sは同じ35mm F1.8のレンズの中ではトップクラスの性能なのですが、RF35mm F1.4 L VCMはそれに迫るものがあります。

これを先ほど風に言えば、RF35mm F1.8 MACRO IS STMは4K対応なのに対して、RF35mm F1.4 L VCMは絞り開放で8Kに対応を目指したレンズと言えそうです。

下にありますキヤノンのティザー広告によれば、これに似たレンズが最低でもあと2本は出る様なので、恐らく1本は50mm F1.4で、もう1本はこの大きさからして85mm F1.8になるのでしょうか?

キヤノンの公式HPにある同種レンズのちらみせ画像

キヤノンの普及クラスの85mmレンズがF1.8ではなくF2.0だったのは、この辺の事情によるものなのかもしれません。

まとめ

それはともかく、このニコンとキヤノンの思想の違いは興味深いものがあります。

キヤノンはひたすら8Kにも使える高性能レンズを追求し、対するニコンは価格を抑えて4Kでも十分使える明るいレンズも用意しますという思想です。

どちらが望ましい姿なのかは人それぞれなのですが、少なくとも庶民の味方はニコンなのは間違いないでしょう。

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