RAWファイルの種類と違い

最近では、RAWファイルと言っても、非圧縮RAWファイルやら、可逆圧縮RAWファイルやら、非可逆圧縮RAWファイルがあって、少々複雑になってきましたので、ここらで整理したいと思います。

非圧縮RAWファイル

先ず非圧縮RAWファイルとは、ひと昔前に主流のRAWファイルで、それこそ何もしていない素のRAWファイルです。

もっと詳しく言えば、1画素の受光量を12ビット(或いは14ビット)にA/D変換にして、そのデータを全画素分に持たせたファイルです。

このため、非圧縮RAWファイルの容量は以下の式で簡単に求められます。

非圧縮RAWファイルの容量(MB)=有効画素数×ビット深度÷8ビット/バイト÷1000000バイト/MB

例えば2000万画素で、1画素のビット深度が12ビットだとすると、非圧縮RAWファイルの容量は以下の様になります。

=有効画素数×ビット深度÷8ビット/バイト÷1000000バイト/MB

=2010万画素×12ビット÷8ビット/バイト÷1000000バイト/MB

=2010×10000×12÷8÷1000000

30MB

この場合、撮った画像には一切影響されないので、いつ誰が何を撮ってもファイル容量は常に同じです。

可逆圧縮RAWファイル(ロスレス圧縮RAWファイル)

次は、可逆圧縮RAWファイルです。

この容量は非圧縮RAWファイルより数割小さいものの、いざとなれば元の非圧縮RAWファイルに戻せる魔法のファイルです。

ちょうどZIPファイルの様なものだと言えば、分かり易いでしょうか。

このため非圧縮RAWファイル可逆圧縮RAWファイルも、現像した画像に全く差はありません。

ただし可逆圧縮RAWファイルを使うには、一旦元の非圧縮RAWファイルに変換する必要があるため、(非圧縮RAWファイルより)PCに負担を掛けると共に、その分現像処理に余計な時間が掛かります。

そうは言っても画像編集は一時だけですので、それより常時容量を大幅に減らせる可逆圧縮RAWファイルの方が有利なのは間違いありません。

可逆圧縮RAWファイルの仕組み

折角なので、可逆圧縮RAWファイルの仕組みをお伝えしておきましょう。

RAWファイルに限りませんが、コンピューターで扱われるデータは、全て0と1の組み合わせで成り立っています。

この中には、同じパタンで0と1の組み合わせが出現します。

この同じパタンで発生する組み合わせを短い符号に置き換えて、データ量を減らしているのです。

このため、例えば青空の様に同じ色情報が繰り返し存在すると、データ量を大幅に削減できます。

ちなみに真黒を撮影すると、1MB程度にまで圧縮できます。

そして解凍(現像)する際には、その符号を元の1と0の組み合わせに戻しているのです。

非可逆圧縮RAWファイル

最後は、非可逆圧縮RAWファイルです。

これは読んで字の如く、元に戻らない圧縮を掛けています。

このため可逆圧縮RAWより、さらにファイル容量が小さくなります。

そう聞くと、前述の非圧縮RAWファイルや、可逆圧縮RAWファイルより劣ると思ってしまいますが、現像された画像を見比べても誰にも区別はつきません。

と断言したいくらい、その差は僅かです。

まとめ

そんな訳で、無駄に理想を追い求めるのならともかく、現実的な選択としてはこの非可逆圧縮RAWファイルを強くお勧めする次第です。

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