【2022年版】暗闇に強い小サイズ高感度カメラのベスト10

2022/11/16:全面改訂

はじめに

2022年は小サイズの撮像素子を搭載したカメラ、すなわちAPS-Cサイズやマイクロ4/3のカメラが多数発売されました。

2022年に発売された小サイズ機

このため、現在発売されている小サイズカメラにおいて、どれが最も高感度で綺麗に撮れるのかを、最大常用ISO感度を基にランク付けをしてみました。

以前でしたらAPS-Cサイズで2000万画素のNikon D500が高感度番町だったのですが、今年はどうなるでしょうか。


既に生産中止になったNikon D500

ISO感度スパンチャート

下は小サイズ機の最大常用ISO感度の順に並べたISO感度スパンのチャートです。

これご覧頂きます様に、トップは何とマイクロ4/3のLumix GH5Sです。

以下このチャートを基に、10位まで順番に見ていきたいと思います。

なお発行時は以下のチャート順だったのですが、OMDSのOM-1の最大常用ISO感度は実は102400ではなく51200だった事、及びNikon Z 50とLumix GH5Sでは、1画素の面積は後者の方が大きい等を考慮して、思い切って順位を全面的に見直しました。

なおご存知の様に、最大常用ISO感度についてはISOやJIS、或いはCIPAによって標準化された規格ではなく、各社が独自に公表した値ではありますが、デジカメの登場から既に数十年経過している事を考えれば、(主観的なものより)余程信頼度できるでしょう。

第1位:Lumix GH-5S(最大常用ISO感度51,200)

お伝えしました様に、第1位はパナソニックのLumix GH-5Sです。


動画機能を強化したLumix GH-5S

本機は、マイクロ4/3でありながら最低常用ISO感度を160と上げ気味にし、更に撮像素子を1000万画素に抑え、おまけに二つの増幅回路を設ける事により、高感度性能を高めています。

本機は動画撮影に重点を置いたモデルですので、もし暗所に強くて小型でC4K60Pの撮れる動画機を探しているのでしたら、本機が一押しになります。

第2位:Nikon Z 50(最大常用ISO感度51,200)

第2位は、APS-Cサイズで2000万画素Nikon Z 50とその兄弟機です。

左からNikon Z 50、Zfc、Z 30

この撮像素子は今まで小サイズ機における高感度番長であったNikon D500に使われていた物と同じで、APS-Cサイズで2000万画素となると、この最大常用ISO感度はかなり妥当な値と言えるでしょう。

そんな訳で、星空撮影の様に極力ノイズ処理を抑えて暗所撮影をしたいのでしたら、こちらがお勧めになります。

第3位:PENTAX K-70(最大常用ISO感度32,000前後)

第3位は、APS-Cサイズ機で2400万画素の撮像素子を搭載したペンタックスの一眼レフPENTAX K-70です。


PENTAX K-70

本機は入門機の扱いなのですが、防塵防滴で-10℃まで動作保証し、ペンタックス初の像面位相差AFとコントラストAFのハイブリッドAFを採用し、リアル・レゾリューション、光学ローパスセレクター、視野率100%の光学ファインダー、シャッタースピード換算で4.5段分に相当するボディ内手ぶれ補正など、上位機並みの本格機能を搭載しています。

また本機の場合、他社と異なり常用ISO感度ではなく、標準出力感度と称して(拡張ISO感度を含めて) 100~102,400なる値を公表しています。

ただし本機は、次に登場するソニーのα6600と同じ撮像素子を搭載しているのでしょうから、最大常用ISO感度は同じ32,000前後と推測されます。

ただしペンタックス機の場合、アクセラレーターユニットなる専用チップを使って超高感度・高画質が両立させているのを売りしていますので、こちらの方を第3位とさせて頂きました。

価格が安い事もあって、多少ラフに扱える小型で高感度な一眼レフカメラとなると、こちらがお勧めになります。

第4位:α6600(最大常用ISO感度32,000)

第4位は、APS-Cサイズ機のSONY α6600とその兄弟機です。

左からα6600、α6400、α6100

上記3機種は、いずれも2400万画素の同じ表面照射型撮像素子を搭載しており、最大常用ISO感度も同じです。

これらはα6000シリーズの第2世代にあたり、第一世代(α6500、α6300、α6000)も同じ2400万画素の撮像素子を搭載していましたが、最大常用ISO感度は25,600でした。

クラス\世代 第1世代 第2世代 特徴
上級 α6500 α6600 ボディー内手ブレ補正搭載
金属ボディー
中級 α6300 α6400 金属ボディー
初級 α6000 α6100 プラスチックボディー

最大常用ISO感度が1/4アップした理由は、画像処理エンジンが新しくなってノイズ処理が向上したからなのでしょう。

また最近は、同じ撮像素子を使ったV-LogカムとしてZV-E10も発売されています。


ZV-E10
そんな訳で、高感度性能もそれなりで、カメラとレンズの種類が豊富なのが魅力です。

第5位:Pentax K-3 Mark III(最大常用ISO感度32,000前後)

第5位は、APS-Cサイズ機で2600万画素の撮像素子を搭載したペンタックの一眼レフPENTAX K-3 Mark IIIです。


PENTAX K-3 Mark III

本機は先ほどのPENTAX K-70(2400万画素)と違って、2600万画素の撮像素子を搭載しているのですが、第二世代のアクセラレーターユニットを搭載する事によって、標準出力感度100~1,600,000を謳っています。

このため幣サイトとしては、一般的な最大常用ISO感度はK-70と同じく32,800前後ではないかと推測する次第です。

なお本機はもしかしたら世界で最後の最新一眼レフになるかもしれませんので、光学ファインダーとメカニカルなシャッター音、それにバッテリーの持ちを優先させたい方には一押しになります。

第6位:EOS R10(最大常用ISO感度32000)

第6位は、APS-Cサイズ機で2400万画素の撮像素子を搭載したキヤノンのEOS R10です。


APS-CサイズのEOS R10(2400万画素)

本機の撮像素子は、この後に登場する同じくAPS-Cサイズ機であるミラーレス一眼のEOS Kiss M2(2400万画素)や一眼レフのEOS Kiss X9i(2400万画素)等の流用と思われます。

ただしこれらの最大常用ISO感度は25,600だったので、恐らくノイズ処理の向上等により32,800に引き上げたのでしょう。

なおキヤノンのAPS-Cサイズは他社より1割程小さいので、他社の2400万画素のAPS-Cサイズ機より下位の第6位とさせて頂いております。

第7位:EOS R7(最大常用ISO感度32,000)

第7位は、APS-Cサイズ機で3250万画素の撮像素子を搭載したキヤノンのEOS R7です。


EOS R7

本機の撮像素子も、恐らくEOS M6 Mark IIEOS 90Dの流用なのでしょう。

ただし両機の最大常用ISO感度は25,600だったのですが、やはりノイズ処理の向上等により32,800に引き上げたと思われます。

とは言え、本機の画素数は3,250万もありますので、高感度性能の素性としてはEOS R10の方が上と言えます。

第8位:OMDS OM-1(最大常用ISO感度25,600)

第8位は、マイクロ4/3ながら2000万画素の裏面照射積層型撮像素子を搭載したOMDSのOM-1です。

本機の最大常用ISO感度は下にあります従来機と同じ25,600なのですが、裏面照射になった事でその実力は明らかに上と言って良いでしょう。

左から同じ撮像素子を搭載したOM-D E-M1X、OM-D E-M1 Mark III、OM-D E-M5 MarkIII

そんな訳で、小型軽量で暗所に強く高速連写が必要シーンでしたら、全点クロス測距が可能な本機が間違いなく一押しになります。

第9位:EOS Kiss M2(最大常用ISO感度25600)

第9位は、APS-Cサイズ機で2400万画素の撮像素子を搭載したキヤノンのEOS Kiss M2とその兄弟機です。

EOS Kiss M2とEOS M200

両機はいずれも入門機ですが、高感度性能は妥当なレベルと言って良いでしょう。

また同じ撮像素子は一眼レフのEOS Kiss X10i等にも使われています。

第10位:Lumix GH6(最大常用ISO感度25600)

チャート上では第10位はキヤノンのEOS M6 Mark IIなのですが、いつの間にか生産中止になっていましたので、繰上げで第10位はLumix GH6です。


業務用動画機とも言えるLumix GH6

本機は、先代のGH5の2000万画素から、5.7K60Pが撮れる2500万画素にアップしたのですが、最大常用ISO感度は従来と同じISO25600を維持したのは立派です。

恐らくこれは、(公表はされていませんが)撮像素子を裏面照射型に変更したのが効いているのでしょう。

ところが、話はそれで終わりません。

更には、従来最低常用ISO感度はISO160で減感でISO80だったのですが、GH6では最低常用ISO感度はISO100で減感でISO64まで落としているのです。

値段はかなりお高いのですが、動画性能はトップクラスで、低感度域での画質と高感度性能を両立させた機種をお探しでしたら、本機が一押しになります。

まとめ

最後にまとめです。

第1位:暗所に強くて小型でC4K60Pの撮れる動画機を探しているのでしたら、Lumix GH-5S

第2位:星空撮影の様に極力ノイズ処理を抑えて暗所撮影をしたいのでしたらNikon Z 50

第3位:価格が安く、多少ラフに扱える小型で高感度な一眼レフカメラならPENTAX K-70

第4位:種類が豊富で高感度なソニーのα6600系ZV-E10

第5位:高感度で最後の最新一眼レフになるかもしれないPENTAX K-3 Mark III

第6位:小型軽量で高感度なEOS R10

第7位:高感度で高速連写が可能なEOS R7

第8位:小型軽量で暗所に強くスポーツ撮影に向いたOM-1

第9位:入門機ながら高感度なEOS Kiss M2とその兄弟機

第10位:動画性能はトップクラスで、低感度域での画質と高感度性能を両立させたLumix GH6

モバイルバージョンを終了