EOS R6 Mark IIやα7 IVは何故あんなにも高いのか

はじめに

不思議に思われないでしょうか。

なぜEOS R6 Mark IIα7 IVはあんなにも高いのでしょうか。


Nikon Z 6II
(24万円)

α7 IV
(32万円)

Lumix S5II
(25万円)

EOS R6 MarkII
(37万円)

注:括弧内の価格は2023/3時点の価格

Nikon Z 6IIや最近発売されたLumix S5IIと比べても、EOS R6 Mark IIで12万円(1.5倍)、α7 IVで7万円(1.3倍)も差があります。

性能差

性能が良いからと思われるかもしれませんが、それでも下の表にあります様にNikon Z6IIやLumix S5IIと比べて価格差に見合う性能差がある様には思えません。

項目\機種 Nikon Z 6II
(2020/11)
α7 IV
(2021/11)
Lumix S5II
(2023/2)
EOS R6II
(2022/12)
画素数 2450万画素 3300万画素 2420万画素 2420万画素
電子幕速度 1/45秒 1/30秒 1/40秒 1/56秒
ISO感度
(拡張)
100-51,200
(50-204,800)
100-51,200
(50-204,800)
100-51,200
(50-204,800)
100-102,400
(50-204,800)
シャッタースピード
(電子シャッター時)
1/8000-30, B 1/8000-30, B 1/8000-60, B 1/8000-30, B
1/16000-30)
AF ハイブリッドAF
瞳AF
動物AF
最大81%
EV-4.5
4D FOCUS
リアルタイム
瞳AF
動物検出
最大93%
EV-3
ハイブリッドAF
(+空間認識AF)
リアルタイム
顔瞳動物認識
EV-6
デュアルピクセル
CMOS AF II
瞳・顔・頭・胴
犬・猫・鳥・馬
最大100%
EV-6.5
連写
(電子シャッター)
14コマ/秒 10コマ/秒 7コマ/秒
(30コマ/秒)
12コマ/秒
(40コマ/秒)
手ブレ補正 最大5段 最大5.5段 最大6.5段 最大8段
ファインダー 0.5型
369万dot
0.8倍
21mm
0.5型
369万dot
0.78倍
21mm
0.5型
369万dot
0.78倍
21mm
0.5型
369万dot
0.76倍
23mm
モニター 3.2型
210万dot
チルト
3型
162万dot
バリアングル
3型
184万dot
バリアングル
3型
162万dot
バリアングル
6K30P N/A N/A 4:2:0
10bit
N/A
4K60P
(推定)
APS-C
クロップ
(4:2:0)
(10bit)
APS-C
クロップ
4:2:2
10bit
APS-C
クロップ
4:2:0
10bit
クロップ無し
4:2:2
10bit
4K30P
(推定)
6Kから
(4:2:2)
(10bit)
7Kから
4:2:2
10bit
6Kから
4:2:2
10bit
6Kから
4:2:2
10bit
FHD
ハイスピードフレーム
FHD120P
音声付き
FHD120P FHD180P
(ただしMF)
FHD120P
FHD180P
最大ビットレート 360Mbps 600Mbps
(All Intra時)
200Mbps 230Mbps
無線LAN 802.11ac 802.11ac 802.11ac 802.11b/g/n/ac
価格(2023/3時点) 24万円 33万円 25万円 37万円
太字は3機種の中で最も優れている性能を指す

実際上の表を見る限り、EOS R6 Mark IIが優れているのは、クロップ無しで4K60Pが撮れて、鳥や馬が認識できて、秒速40コマの連写ができて、手振れ補正が多少優れている程度です。

α7 IVに至っては、3300万画素ぐらいしか秀でている所は見出せません。

一体何故こんなに価格差があるのでしょうか。

製品の価格は、当然ながら製造コストだけでなく、開発コストなり市場の需要予測なり、生産地の為替等の影響も受けます。

とは言いながらも、最大の要因はやはり製造コストでしょう。

中でも撮像素子映像エンジンが、一番高い部品なのは間違いないありません。

そう考えると、思い当る事があります。

α7 IV

先ずα7 IVについては、この3300万画素の撮像素子は恐らく本機のみにしか使われていないのではないでしょうか。

2021/11に発売されたSONY α7 IV

また本機の映像エンジンは、α1にも使われているBIONZ XRで、これ自体は8K30Pが撮れ、最大で600 Mbpsのレットレートを誇っています。

それらをこの中級機に投入したのですから、それは高くなるのは無理かなる事です。

Lumix S5IIとNikon Z6II

それに対して、Lumix S5IIやNikon Z6IIは、今までに最も多く使われたであろうソニー製の2400万画素の撮像素子を使用し、映像エンジンも従来品で、且つ能力的にも4K止まりです。

2022/2に発売されたLumix S5II

すなわち、値段のこなれた撮像素子と、性能に合った映像エンジンが使われているという訳です。

EOS R6 Mark II

そして最後はEOS R6 Mark IIです。

2022/12に発売されたEOS R6 Mark II

この映像エンジンは先代と同じDIGIC Xながら、同じ映像エンジンを搭載したEOS R5においては8K30Pが撮れるので、やはりオーバースペックなのは間違いありません。

ただしこの撮像素子は、EOS-1D X Mark III以降全機種で使われているので、原価はそれなりに下がっているのでしょう。

そうなると、問題は2400万画素の撮像素子です。

これはEOS R3の裏面照射積層型を表面に変更したものでしょうが、α7 IVと同様に本機にしか使われていません。

恐らくこれが非常にお高いのでしょう。

このため、この原価を下げるために、入門機であるEOS R8にまで、このお高い撮像素子を投入したのでしょう。

まとめ

そんな訳で、Lumix S5IIやNikon Z6IIが安いのは、その性能にマッチした映像エンジンと値ごろ感のある撮像素子を使っているためと言えそうです。

それに対してα7 IVやEOS R6 Mark IIがやたら高いのは、オーバースペックの映像エンジンと今の所ほぼ専用と言える撮像素子を使ってしまったから、と思うのですがいかがでしょうか。

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