動画のカラーサンプリングとは、色情報の間引き方を表しており、4:2:0が一般向けで4:2:2が業務用と覚えておけば十分でしょう。
静止画の場合、色をRGBの3色で表すのが一般的ですが、動画の場合YCbCrと呼ばれる輝度(Y)、青方向色相(Cb)、赤方向色相(Cr)の順に表します。
なお上の図にあります様に、青方向色相(Cb)、赤方向色相(Cr)と言っても、あくまでも色を表す縦横の座標軸を表しているのであって、青っぽい色とか赤っぽい色を指している訳ではない事にご注意願います。
そして、4:4:4とはこの三つの色情報が隣接する4画素(1ブロック)全てにあるのに対して、4:2:2とは輝度情報(Y)は4画素分あるものの、青方向色相(Cb)と赤方向色相(Cr)の情報は2画素分しかない、すなわち半分に間引かれているという事を指します。
これを表にすると以下の様になります。
種類 | 内容 |
4:4:4 | 隣接する4画素の色情報を間引かず全て記録する方式。 |
4:2:2 | 一般的な業務用ビデオに採用されている方式。 4:4:4に対して輝度情報以外は半分に間引かれるのでデータ量は1+1/2+1/2=2になり、4:4:4(1+1+1=3)に比べてデータ量は2/3になる。 |
4:2:0 | 家庭用ビデオで一般的な方式。 4:2:0と聞くと赤方向色相の情報が無い様に思ってしまうが、実際には青系と赤方向色相の情報を半分に間引き、更にそれを交互に記録している。 このためデータ量は1+1/2+0=3/2になり、4:4:4(1+1+1=3)に比べてデータ量は半分になる。 |
4:1:1 | DVで採用された方式。 4:2:0と同様に、4:4:4に対してデータ量は半分になる。 |
この間引きはデータ量を一気に2/3とか半分にするので、さぞかし画質は低下するだろうと思われるかもしれませんが、人の視覚は輝度の変化に敏感で色の変化には鈍感である事から、殆ど劣化は気になりません。
誰が考えたか知りませんが、ウマイ手を考えたものです。
なおブロックの大きさは異なりますが、静止画のJPEGファイルも同じ手法でデータの圧縮を行なっています。
また色信号を間引くと聞くと、何となく色味が変化する様な印象を持ちますが、実際は色が大きく変化する部分の解像度が低下する事になります。
このためクロマキーの様に背景から人物を抜き取る場合には、4:2:0より4:2:2の方が綺麗に抜き取る事ができます。
また動きの激しい動画や、色の変化の大きな動画は間違いなく4:2:2の方が有利ですが、そうでなければ4:2:0でも殆ど問題ありません。
例えばソニーのα1の場合、8K動画は4:2:0で、4K動画は4:2:2に対応しています。
コメントを残す
コメントを投稿するにはログインしてください。