天の川を背景にした動画を撮れるかもしれない

 

果たして、天の川を背景にした動画は撮れるのでしょうか?

天の川を背景にした人物写真(F2.8 30秒 ISO3200)

例えば上の様な写真(静止画)ですと、絞りF2.8、シャタースピード30秒、ISO3,200に設定すれば簡単に撮れます。

ところが動画の場合、仮に30fpsの動画であれば、シャッタスピードを1/30秒より遅くする事はできません。

このためもし絞りF2.8のシャッタースピード1/30秒で天の川も一緒に撮るとなると、ISO感度はISO3200の1024倍でISO3,280,000が必要になります。

上のチャートにあります様に、Nikon D6の増感でISO3,280,000を使えば無理ではありませんが、ここまで増感すると天の川はノイズに隠れてしまい殆ど映りません。

このためフルサイズ機の最大常用ISO感度であるISO102,400までに抑えるとなると、その差は段数で5段(倍数で32倍)もあります。

仮に絞りを2段開けてF1.4にしたとしても、まだ3段も明るくしなければならないのです。

そんな訳で、今までは天の川を背景にした動画は決して撮れませんでした。

実際背景に星が映っている映画は、(CGと惑星以外)見た事はないでしょう。

ところがです。

その可能性が少し出てきたのです。

それがNikon Z 9に搭載された動画のシャッタースピード延長機能です。

Nikon Z 9のシャッタースピード延長に関する説明

これを使えば、例え30fpsの動画であっても1/4秒のシャッタスピードが使えるのです。

恐らくこれは、1/30秒で撮った画像を8枚分バッファーメモリーで加算して1フレームにどんどん書き込んでいるのでしょう。

そう聞くと大した事ではない様に思われるかもしれませんが、恐らくこんな芸当ができるのはNikkon Z 9に搭載された映像エンジンEXPEED 7だけではないでしょうか。

そうなると1/30秒と比べて、3段分も明るくできます。

このため、絞りF1.4、シャッタスピード1/4秒で、Z 9の増感ISO感度であるISO102,400を使ったとしたら、天の川を背景にした動画が何とか撮れそうです。

ただしF1.4となると、人物にピントを合わせたら背景の天の川はかなりボケますし、増感のISO102,400ではかなりノイズが乗りますし、シャッタースピード1/4秒となると人物も相応にブレる事になります。

とは言え、動画の場合1秒間に数十枚の画像を見る事になるので、ランダムなノイズは平均化されて目立ち難くなり、ブレも静止画ほど気にならなくなります。

そんな訳で、どんな映像になるのか、一度見てみたいものです。

Nikon Z 9を持っていれば、早速撮ってみるのですが、叶わぬ夢で終わりそうです。

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