デジタルズームと光学ズームにおけるボケの大きさの違い

はじめに

デジタルズームと光学ズームでは、背景のボケの大きさ(直径)は同じなのでしょうか?


Nikon Z 9のV.3.0.0に追加されたハイレゾズーム(デジタルズーム)のサンプル動画

それとも違うのでしょうか?

もし違うとしたら、どれくらい異なるのでしょうか?

答えを言ってしまいますと、光学ズームの方がデジタルズームよりボケは2倍大きくなるのです。

これはボケの大きさの計算式で簡単に求められるのですが、そんな式より実際に写真で見た方がすんなり納得して頂けるでしょう。

2倍のデジタルズーム

下は50mm F4のレンズで、手前にあるライターとそれより2mほど離れた点光源を撮った写真です。

50mm F4で撮った写真

これを2倍に拡大(トリミング)した写真が以下になります。

50mm F4で撮った写真を2倍に拡大(デジタルズーム)した写真

ご覧の通り、(当然ながら)ライターの黄色い丸シールも背景のボケも2倍に拡大されました。

これがすなわち、デジタルズームによって焦点距離が2倍相当になった写真(100mm相当)になります。

またこの場合は、黄色い丸シールも背景のボケもほぼ同じ大きさになっている事を覚えておいて下さい。

2倍の光学ズーム

それでは次に、配置は全く同じでこれを100mmF4のレンズで撮ってみます。

100mm F4で撮った写真

するとご覧の通りで、明らかに先ほどのデジタルズームの場合より、背景のボケは大きくなっています。

2枚を並べると以下になります。

2倍のデジタルズーム(左)と2倍の光学ズーム(右)

ここで注目して頂きたいのは、ピントの合っている黄色のシールの直径は、2倍のデジタルズームと2倍の光学ズームは同じなれど、ボケは光学ズームの方が大きくなるという事です。

そしてどれくらいボケが大きくなっているかと言えば、スケールで測ってみるとちょうど2倍大きくなっているのが分かります。

デジタルズームと光学ズームが同じになる場合

最後に、もう1枚写真をご覧頂きます。

100mm F8で撮った写真

これは100mm F8のレンズで撮った写真です。

ご覧の通り、2倍のデジタルズームで撮ったのと同じボケの大きさになりました。

すなわち、2倍のデジタルズームとは、光学ズームで焦点距離を2倍にして、絞りを2段絞ったのと同じ写真になるという訳です。

まとめ

以上をまとめると、以下の様になります。

①絞りが同じ場合、デジタルズームより光学ズームの方がボケは2倍大きくなる。

②光学ズームの絞りを2段絞る事によって、2倍のデジタルズームと光学ズームのボケは同じになる。

という訳で、例えば50mm F1.4のレンズを2倍のデジタルズームで使用したとすると、50-100mm F1.4-F2.8の光学ズームと同じになるという事です。

ご納得頂けましたでしょうか。

 

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