目次
はじめに
昔撮り溜めたビデオテープをPCにダビングするには、デジタルの動画記録設定として必要な解像度(画素数)やフレームレート、ビットレートはどれくらいに設定したら良いでしょうか?
当然ながら昔のVHSのテープを、今どき一般的なFHDの1920×1080の解像度でダビングしたら、無駄が多過ぎます。
かと言って、余りに解像度やビットレートを下げたりすると、画質がが低下してしまいます。
そんな訳で、お勧めのデジタル解像度の目安表を作ってみました。
解像度
先ずは解像度です。
アナログ時代の動画の解像度は、水平解像度で表していました。
水平解像度とは、水平方向に何本の縦線を解像できるかという事で、昔のアナログ放送の場合330~350本です。
この場合、表現できる縦線の数は330~350本ですが、線を表現するには白と黒の2本の線が必要になりますので、実質的に水平方向の縦線の数は660~700本になります。
すなわち、この場合の水平方向のデジタル解像は、660~700画素と言えます。
またアナログ放送の縦横比は4:3ですので、これからすれば垂直方向の解像度は495~525画素になり、全画面では660~700画素×495~525画素になります。
アナログ放送のデジタル解像度が、一般的に切りの良い640×480画素と言われるのは、この辺の値が元になっているのでしょう。
同じ様にビデオテープのデジタル解像度を求めると、下の表の様になります。
種類 | 水平解像度(公称値) | 水平本数 | デジタル解像度 |
アナログ放送 | 330~350本 | 660~700本 | 640×480画素(4:3) |
VHS、8mm | 230~250本 | 460~500本 | 480×360画素(4:3) |
S-VHS、Hi8 | 400本以上 | 800本以上 | 800×600画素(4:3) |
DVD-Video(参考) | 500本以上 | 1000本以上 | 720×480画素(3:2) |
ビデオテープについては、どれも640×480画素でダビングしても良いのですが、より無駄なくダビングしたいのであれば上の表を参考にして頂ければと思います。
フレームレート
フレームレートについては、どれも29.97fpsと思って間違いありません。
切りの良い数値である30fpsにしても良いのですが、あくまでも基本は29.97fpsで、その場合のタイムコードはドロップフレームタイムコードを使用します。
ビットレート
ビットレートについては、解像度とフレームレート、それにコーデックの種類によって変わりますので、以下を参考にして頂ければと思います。
種類 | デジタル解像度 | フレームレート | H.264 | H.265 |
アナログ放送(共通) | 640×480画素 | 29.97fps | 800kbps | 400kbps |
VHS、8mm | 480×360画素 | 29.97fps | 500kbps | 300kbps |
S-VHS、Hi8 | 800×600画素 | 29.97fps | 1200kbps | 600kbps |
DVD-Video(参考) | 720×480画素 | 29.97fps | 1800kbps | 900kbps |
なお多少主観的な話をしますと、8mmビデオとHi8ビデオは公称値は異なるもの、見た目の画質(解像度)は殆ど変わりません。
このため、このため色々なビデオテープを一括してダビングする場合は、テープ毎に設定を変えるのも面倒なので、アナログ放送の設定で統一した方が良いかもしれません。
デジタル動画のダビング設定
おまけでデジタル動画の記録設定も載せておきます。
種類 | デジタル解像度 | フレームレート | H.264 | H.265 |
FHD(1080P) | 1920×1080画素 | 29.97fps | 3500kbps | 1750kbps |
FHD(1080P) | 1920×1080画素 | 23.98fps | 2800kbps | 1400kbps |
HD(720P) | 1280×720画素 | 29.97fps | 1600kbps | 800kbps |
HD(720P) | 1280×720画素 | 23.98fps | 1200kbps | 600kbps |
なお上記は、ビットレートをかなり抑えていますので、もし映像にブロックノイズが発生したら、少しずつビットレートを上げてみてください。