50mm F1.2、85mm F1.2、135mm F1.8の大口径単焦点レンズの中で一番ボケるのはどれか

はじめに

ニコンからついに85mm F1.2の大口径単焦点レンズが発表されました。

Nikon Z 9NIKKOR Z 85mm f/1.2 S

今まではFマウントで105mm F1.4のレンズがあったのですが、85mm F1.2はニコン初でしょう。

これを含めてポートレート用の大口径単焦点レンズと言えば、昔から50mm F1.2、85mm F1.2、135mm F1.8の3本が定番ではないでしょうか。

実際各社からこれらのレンズが発売されています。

キヤノンの50mm F1.2、85mm F1.2、135mm F1.8の大口径単焦点レンズ

では、この3本のレンズはどれが最も背景をボカス事ができるのでしょうか。

バストアップの撮影で背景が被写体から6.8mにおけるボケの大きさ

一番ボケるのは85mm F1.2だと言うのは旧知の事実なのですが、何となく被写体の大きさや、背景までの距離によって多少変わる様な気がしないでもありません。

特に人物の全身を撮る場合は、135mm F1.8が一番ボケる様な気がするのですが、どうなのでしょう。

或いはスタジオの様に被写体や背景までの距離が短い場合も、85mm F1.2が一番ボケるのでしょうか?

もしかしたら、画面上の人物の大きさ、或いは背景までの距離によって、何かしら知られざる違いがあるかもしれません。

そんな訳で、今回はその謎に迫ってみたいと思います。

撮影条件

それでは3本のレンズを使って、下にあります様にバストアップ、上半身、全身を撮ってボケの大きさを比べてみたと思います。

と言いたい所なのですが、何分貧乏サイトゆえ、そんな事はできません。

このため、上の撮影条件におけるボケの大きさを計算で求めてみます。

また背景までの距離によってもボケの大きさは変わりますので、背景も被写体から2m、4m、8m、無限遠の4種類にします。

各撮影条件において、どのレンズが最もボケるのでしょうか?

計算結果

その計算結果が以下になります。

チャートの見方を簡単にご説明しますと、上から順に背景までの距離が無限遠、8m、4m、2mになり、それぞれの距離でバストアップ、上半身、全身を3本のレンズで撮った場合のボケの大きさを横棒で表しています。

するとご覧の通り、殆どの場合85mm F1.2のレンズが最も背景のボケが大きく、2番目が135mm F1.8、最後が50mm F1.2になりました。

ただし赤丸で示します様に、背景が無限遠の場合は、135mm F1.8のレンズが背景が最もボケます。

ただし背景までの距離が30mですと85mm F1.2と同じくらいのボケです。

また背景までの距離が2mmまでは、135mm F1.8より50mm F1.2の方がボケるという面白い結果になりました。

被写体の大きさでは、バストアップ、上半身、全身の順でボケの大きさが、半分ずつに小さくなるのが分かります。

まとめ

50mm F1.2

50mm F1.2は、被写体に寄って撮れるのは確かにメリットなのですが、残念ながらボケを期待できるのは上半身までと思った方が良さそうです。

FE 50mm F1.2 GM Z 50mm f/1.2 S RF50mm F1.2 L USM

135mm F1.8

135mm F1.8については、被写体からかなり離れなければいけない(上半身で5m)のがデメリットなのですが、屋外で背景が被写体から30m以上離れている場合でしたら、一番ボケが期待できます。

FE 135mm F1.8 GM RF135mm F1.8 L IS USM 135mm F1.8 DG HSM NIKKOR Z 135mm f/1.8 S Plena

85mm F1.2

85mm F1.2は、多少の例外はあるものの、背景をボカスのが目的であれば一番お勧めと言って良さそうです。

RF85mm F1.2L USM Z 50mm f/1.2 S

おまけ

最後におまけとして、大口径単焦点レンズのボケ量と被写界深度を貼付しておきます。

こえをご覧頂きます様に、背景のボケ量とピント面の被写界深度は比例しません。

また望遠系のレンズの方が、被写界深度が深くなる傾向がありますので、背景をボカして且つ被写体はくっきり撮りたいという場合は、望遠系のレンズがお勧めと言えます。

 

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