過焦点距離をご存知でしょうか?
非常に分かり難い日本語ですが、恐らく英語のHyperfocal distanceの直訳なのでしょう。
この過焦点距離を一言で説明すると、無限遠を含めて最も深い被写界深度となる焦点距離(ピント位置)と言えば良いでしょうか。
それだけでは良く分からないと思いますので、もう少し分かり易く説明したいと思います。
例えば下の様に遠くまで続く線路があったとします。
この線路を手前から奥までなるべくクッキリ写すには、(広角レンズを使って絞りは思いっきり絞るとして)どこにピントを合わせれば良いでしょう。
何にも考えなければ、一番奥の無限遠にピントを合わせるのでしょうか。
また被写界深度を知っている方でしたら、それを考慮して手前と無限遠の間のどこかにピントを合わせるかもしれません。
この様に無限遠から極力手前までクッキリ写したいときの正確なピントの位置が、この過焦点距離なのです。
ではこの過焦点距離を設定する方法ですが、下にあります昔の被写界深度の目盛りがあるマニュアルフォーカスのレンズでしたら簡単にできました。
例えば上のレンズの場合、使用する絞りがF8でしたら、ピントリングの∞の位置をF8の被写界深度の目盛りに合わすだけで良いのです。
そうするとピント位置(すなわち過焦点距離)は2.5mになり、1.2mから無限遠までをクッキリ写せるのです。
ではレンズから被写界深度の目盛りが無くなってからはどうすれば良いかと言えば、残念ながら以下の式で計算するしかありません。
過焦点距離 = (焦点距離)²/(絞り値×錯乱円の直径)
とは言え、現場でそんな計算なんかやってられませんので、もし必要ならば携帯に被写界深度計算用アプリをインストールしておく事です。
ちなみに下のサイトでも、必要事項を入力すれば過焦点距離が表示されます。
ちなみに赤丸で囲んだ、Hyperfocal Distanceが過焦点距離になります。
それはともかく、いつかカメラのボタンを押すと、自動的に過焦点距離の設定のできる日が来るかもしれません。
と言いたい所ですが、恐らく無いでしょう。
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