2022/04/17
Nikon Z 9が発表されて以降、キヤノンユーザーでありながらニコン賛美を続ける幣サイトです。
そんな訳で、今回はニコンの高画素機に関する、とある設計思想をお伝えしたいと思います。
下はフルサイズ機のISO感度を段表示で表したチャートです。
これをご覧頂きます様に、ニコンの高画素機であるZ 9やZ 7及びD850(いずれも4600万画素)の最大常用ISO感度は25600と控え目です。
一方ライバルであるソニーのα1(5000万画素)、α7R III(4200万画素)、α7R IV(6100万画素)の最大常用ISO感度は32000で、キヤノンのEOS R5(4500万画素)に至っては51200を達成しています。
これだけ見ると、ニコンの高画素機の高感度特性は他社より劣っている様に見えてしまいます。
ところが、良く見て頂きたいのは、ニコン機の最低常用ISO感度は64と低めに設定されている事です。
そこで思い出すのが、その昔あったコダクローム64やコダクローム25なる低感度のカラーリバーサルフィルムです。
このフィルムは、外式カプラーを採用し高精細で色味が良く、国産のフジクロームやサクラクロームと明らかに一線を画すものでした。
ただしISO感度が64あるいは25と低いだけでなく、コントラストは強く、それ故ラチチュード(露出の許容範囲)も狭く、使い込なすにはかなり難儀する代物でした。
また白黒フィルムになりますが、文献のコピー等に使用していた高精細フィルムでは、ネオパンS(ISO50)やネオパンF(ISO32)等がありました。
これらの共通項は、いずれも感光材が超微粒子であるが故に、光をタップリフィルムに与える必要があり、低感度だったという事です。
これと同じ事は、1画素の小さな高画素のデジカメにも当てはまります。
すなわち高画素(高精細)なデジカメにおいては、小さな受光素子にタップリ光を与える必要があり、そのためには本来(低画素機より)ISO感度は下げなければならないのです。
そんな訳で、他社と異なり多少高感度を犠牲にしてでも最低常用ISO感度を下げているニコンの設計思想に、痛く共感するのでした。
このため、もしこれらのカメラで本気で高精細高画質の写真を撮りたいのであれば、ISO64を積極的に使うべきです。
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