目次
はじめに
キヤノンのEOS Rシリーズのユーザーでしたら、恐らく手振れ補正は常用されている事でしょう。
ところがいざそれを使いこなそうとすると、何故か混乱するのです。
何故なのでしょう?
そんな訳で今回は、手振れ補正を使って感じる漠とした違和感の理由を明確にしたいと思います。
静止画撮影モードにおける手振れ補正
先ずは静止画撮影モードにおける手振れ補正を見ていきたいと思います。
手振れ補正OFF
下は手振れ補正がOFFの状態です。
このため、画面の中央上部に分かり易く((手))OFFのアイコンが表示されています。
もしレンズに手振れ補正のON/OFFスイッチが付いていたら、このスイッチをOFFした状態がこれです。
またもし電子手振れ補正用のスイッチが無いレンズの場合でしたら、下にありますカメラのメニューから手振れ補正OFF(IS機能を切る)を選択する必要があります。
ここまでは全く問題ありません。
なお上のメニュー画面については、後ほどまた触れますので、覚えておいて頂ければと思います。
手振れ補正ON
次は手振れ補正をONにした場合です。
するとご覧の通り、画面に((手))十のアイコンが表示されます。
なんだそんな事かと言われるかもしれませんが、これが混乱の原因の一つです。
先ほどの手振れ補正OFFがOFFの記号ならば、ここはONの記号にすべきでしょう。
にも関わらず、何故ここで十のアイコンを使わなければならないのでしょうか?
恐らく初めてこのアイコンを見て、手ぶれ補正ONだと断言できる人はいないでしょう。
手振れ補正OFF + 電子手振れ補正ON
それでは次に、下の手振れ補正のアイコンは何を意味しているか分かりますでしょうか?
これはレンズの手振れ補正スイッチをOFFにしているにも関わらず、電子手振れ補正の設定をONにしている事を示します。
ところが現在は、静止画撮影モードなのです。
このため、はなから電子手振れ補正は使えないのです。
にも関わらず、何故ここで電子手振れ補正が無効なるアイコンを表示する必要があるのでしょうか?
不思議に思ってメニューを見ると、以下の様に何故か動画の電子手振れ補正(動画電子IS)の設定ができる様になっているのです。
もしかしたら静止画撮影モードでも、動画用の電子手振れ補正の設定ができる様にしたと思われるかもしれませんが、調べた所ここで設定した電子手振れ補正と動画撮影モードで設定した電子手振れ補正とは全くリンクしていないのです。
すなわちここで電子手振れ補正をONにしても、動画撮影モードの電子手振れ補正はONにならないのです。
更にここ(静止画撮影モード)での電子手振れ補正の設定は、ONとOFFしか選べないのに対して、動画撮影モードにおける電子手振れ補正は、ONとOFFと強の3種類から選べるのです。
このため、ここでうっかり(意味も無く)電子手振れ補正(動画電子IS)をONにしてしまうと、先ほどの電子手振れ補正は使えませんのアイコンが表示されてしまうのです。
何故こんな意味不明の仕様にしたのでしょうか。
断言します。
これは明らかに設計仕様書の大チョンボです。
そしてもう一つ気になる事があります。
それは、(先ほどお見せしました)下にある電子手振れ補正用のスイッチが無いレンズを装着した場合の手ぶれ補正メニューとの違いです。
この場合、手ぶれ補正を効かせるタイミングを撮影時のみもしくは常時を選択できる様になっているのです。
バッテリーライフを優先させるなら撮影時のみにしたい所です。
ところが手ぶれ補正スイッチのあるレンズを装着すると、それは選べないのです。
手ぶれ補正スイッチの無いレンズとなると、恐らくレンズ内手振れ補正機構の無いレンズなのでしょう。
その場合手ぶれ補正は撮影時のみもしくは常時から選択できて、レンズ内手振れ補正機構搭載レンズは常時手ぶれ補正は動き続けるしかない。
何か変じゃありませんか?
動画撮影モードにおける手振れ補正
それでは次に動画撮影モードにおける手振れ補正も見ておきます。
手振れ補正OFF
下は手振れ補正OFFの状態を表しています。
これは全く問題ありません、と言いたい所なのですが、何故手ぶれ補正アイコンの表示位置が静止画撮影モードと異なるのでしょうか?
理解に苦しみます。
静止画から動画に切り換える度に、必要なアイコンを新たに探さなければならないのは苦痛でしかありません。
手振れ補正ON
次は手振れ補正がONの状態です。
この((手))十のアイコンにおいては、カメラとレンズの手振れ補正だけで、電子手振れ補正は働いていません。
にも関わらず十(プラス)のアイコンですと、何となく電子手振れ補正も働いていう様に錯覚してしまいます。
そうなるとやはり、((手))ONアイコンとすべきでしょう。
手振れ補正ON + 電子手振れ補正ON
次は手振れ補正と電子手振れ補正を効かせた場合です。
然程違いが分かりませんが、先ほどの電子手振れ補正OFFより、僅かながら画角が狭くなっている(クロップされている)のが分かると思います。
手振れ補正ON + 電子手振れ補正強
ついでなので、電子手振れ補正を強にした場合も見ておきます。
画角がかなり狭くなったのが分かります。
手振れ補正OFF + 電子手振れ補正ON
次は手振れ補正をOFFにして、電子手振れ補正のみをONした場合です。
ご覧の通り、静止画撮影モードで見た電子手振れ補正が無効なるアイコンが表示されます。
ただし静止画撮影モードではこのアイコンは常時点灯していたのですが、動画モードでは点滅表示して注意を促(うなが)します。
またこの場合、手ぶれ補正は一切働かないのですが、画角は狭くなります。
このため、この機能を使って動画撮影時のデジタルコンバーターとしても使えます。
そしてもう一つ言える事は、EOS Rシリーズの場合電子手振れ補正を効かせるためには、レンズとボディー内の手振れ補正機構を効かせないといけないという事です。
手振れ補正OFF + 電子手振れ補正強
最後は手振れ補正をOFFにして、電子手振れ補正を強にした場合です。
この場合も、手ぶれ補正は一切働かないのですが、画角は更に狭くなります。
まとめ
以上をまとめますと、以下の様になります。
①EOS Rシリーズにおいて手振れ補正ONの場合は、((手))ONアイコンではなく、直感的に分かり難い((手))十アイコンが表示される。
②また(電子手振れ補正の使えない)静止画撮影モードでありながら、何故か電子手振れ補正ONの設定が可能になっていて、それをONにすると画面上に電子手振れ補正無効の表示がされる。
③レンズ内手振れ補正の無いレンズ装着時においては、手ぶれ補正は撮影時のみもしくは常時を選択できるのにも関わらず、レンズ内手振れ補正搭載レンズ装着時は常時稼働になる。
④レンズや本体に搭載された手振れ補正を無効にして、電子手振れ補正を有効にすると、電子手振れ補正は効かないものの、クロップは行われる。
⑤動画撮影モードにおいて電子手振れ補正を有効にするには、レンズや本体に搭載された手振れ補正機構を有効にしなければならない。
なお上記は全てEOS R6を基にした記述ですが、恐らくEOS Rシリーズ全般に当てはまるでしょう。
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