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はじめに
ついにEOS R1が発表されました。
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これについてあーだ、こーだと言う前に、この話をしておかなければなりません。
それは、キヤノンの画質に関するこだわりです。
ローパスフィルター
ご存知の様にキヤノンは、カメラメーカーで唯一と言っても良いほどローパスフィルターにこだわっています。
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ベイヤー配列の単板撮像素子においては、偽色やモアレを抑えるためにローパスフィルターは必須だと思っている身においては、この思想に100%同意です。
ところが未だにローパスフィルターとは擦りガラスの様な物で、それがある事によって画像がぼやける、或いは解像度が低下すと思っている方がいるから困ったもんです。
デュアルピクセルCMOS AF
またもう一つ言わせて頂くと、デュアルピクセルCMOS AFの採用です。
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これについてはAF性能を向上させるためと思われている方が大半でしょうが、実は画質を向上させるのが主目的なのは間違いありません。
何故ならば、撮像素子上に数万個の測距センサーを埋め込む必要がないため、画素欠損による画質低下が一切ないからです。
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パナソニックも画質にこだわって、従来のコントラストAFを劇的に進化させてきましたが、ノイジーマイノリティーの圧力に屈したのか、ついに像面位相差AFに舵を切りました。
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という訳で、頑なに画素欠損にこだわっているのはキヤノンだけになりました。
低画素化
以上については既にご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、実はもう一つあるのです。
この数年、キヤノンのカメラの画素数が減っている事にお気付きでしょうか?
フルサイズ一眼レフであるEOS 5Dの最終モデルとなったEOS 5D Mark IVと、その撮像素子を流用したミラーレスカメラのEOS Rの画素数は3300万画素でした。
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そして入門機であるEOS 6Dの最終モデルとなったEOS 6D Mark IIと、その撮像素子を流用したEOS RPの画素数は2600万画素でした。
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ところが、それ以降発売されたEOS R6は2000万画素で、EOS R3、R6 II、R8は2400万画素です。
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変だと思いませんか?
EOS R5が4500万画素なのは8K動画のために必要なので置いておくとして、キヤノンの最新ミラーレスカメラはすべからず以前より画素数が減っているのです。
他社であれば、新製品が出るたびに画素数は増えているのに、キヤノン機においては画素数が減っているのです。
この理由は分かりますでしょうか?
下はEOS R3に関するキヤノン公式HPの抜粋です。
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これによれば、CIPAの解像度チャートにおいて2400万画素のEOS R3の解像度は、3300万画素のEOS 5D MarkIVの解像度を凌ぐとあります。
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当初は一体何のこっちゃと思っていたのですが、先日以下の試験を行なってようやく気付きました。
そうなのです。
画質が上がれば解像度も上がるのです。
すなわち無暗やたらに画素数を増やしても、実質的な解像度は上がらないのです。
むしろ画素数を抑えて画質を良くした方が、解像度は上がるのです。
そんな一般ユーザーが容易に理解できない画質優先の思想を、敢えて貫き通すキヤノンに痛く共感するのでありました。
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