カメラメーカーの商品戦略(キヤノン編)

どこの業界も同じでしょうが、各メーカーによって商品戦略はそれなりに異なります。

ですが、今のカメラ業界ほど明らかに戦略が異なるのは珍しいのではないでしょうか。

そんな訳で、今回はそれについてまとめてみようと思います。

先ずはカメラ業界の王者とも言えるキヤノンです。

これはもう簡単でしょう。

昔ながらの入門機からプロ機までの単純なフルラインナップ主義です。

2012年のEOS M発表時に開示されたプレゼン資料

上はキヤノン初のミラーレスカメラであるEOS M発表時に示されたプレゼン資料の一コマです。

2012年に発売されたキヤノン初のミラーレスカメラEOS M

これをご覧頂きます様に、一眼レフにおける成功体験を元にミラーレスカメラにおいても同じ様にフルラインナップしようと10年以上前に決めて、それを未だに生真面目に踏襲しているのです。

このため、スマホと殆ど差別化できない様なAPS-Cサイズのカメラを、何と4機種も用意するという、実に無駄な事をやっているのです。


EOS R7
3250万画素
2022/6

EOS R10
2420万画素
2022/7
EOS R50
2420万画素
2023/3

EOS R100
2420万画素
2023/6

確かに今まで通り静止画優先ならばそれでも良かったのでしょう。

ですが、これからは誰がどう見ても動画が主流になるのは間違いありません。

ところがその中に、他社が既に用意している動画優先のミラーレスカメラが1台も無いのです。

それだけならまだしも、この上に業務用のシネマEOSが控えているせいか、EOS Rシリーズの動画性能は他社機と比べると泣きたいくらいに遅れているのです。

もしこのままの方針で進めば、カメラ業界トップの座から滑り落ちるにはほぼ間違いないでしょう。

いや、もう既にソニーやニコンに抜かれているのかもしれません。

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