2021/11/27
スマホの画像は本当に良くなりました。
一昔前は、明るい所ならまだしも、少しでも暗くなるとブレるしノイズは出るし、見た目もベタとした言うかノッペリした感じだったのですが、今ではフルサイズ機と比べても遜色がない感じです。
その理由は、Computational Photographyと呼ばれるデジタル処理を駆使した画像処理が進んだからなのでしょう。
と思っていたのですが、どうもそれは本質ではなさそうです。
何故ならば、どんなにCPUの処理速度が速くなった所で、所詮小さな撮像素子で取り込んだ画像ですので、それをいくらいじったところで画質を良くする事などできる訳がありません。
画質を良くするためには、どうしても撮像素子を大きくして、生の光をたっぷり取り込む必要があります。
では、それができないスマホはどうやっているのかと言えば、どうやら複数の写真を撮ってそれを合成している様です。
下にありますアップルのプレゼン資料が、概ねそれを物語っています。
では何枚くらいの画像を取り込んでいるのでしょう。
下はデジカメの1画素の大きさを比較したチャートです。
標準的なスマホは1200万画素の1/2.3型の撮像素子を使用していますので、その1画素の大きさを1とすると、2400万画素のフルサイズ機であれば、スマホより14.6倍も1画素の面積が広く(受光量が多く)、その分高画質だと言えます。
という事は、スマホで2枚撮って1枚に合成すれば1インチサイズ機並みの受光量になり、4枚撮ればマイクロ4/3並み、6枚撮ればAPS-Cサイズ機並み、14枚撮ればフルサイズ機並みになり、それを合成すればデジカメに近い画質になるという訳です。
そうなるとデジカメもそれに似た様な事をすれば良いのにと思うのですが、どうもその気は無いようです。
その理由は、フィルム時代から写真は1枚完結で合成写真は写真にはあらずという風潮が残っているのか、或いは少しでも大きな撮像素子を搭載した上級機に移行させるという営業上の目的があるのか、はたまたスマホより演算能力が劣るのか。
と思ったのですが、そんな事はありませんでした。
デジカメも、似た様な事を既にやっているのです。
例えば高感度時のノイズを減らすための連写合成(マルチショットNR)や、ダイナミックレンジを拡げるための連写合成(HDR撮影)、更に被写界深度を深くする深度合成(フォーカスブラケット)は正にこれです。
さすがにフォーカスブラケットはカメラを固定する必要がありますが、前の二つは手持ち撮影でも合成してくれます。
すっかり前置きが長くなってしまいましたが、ならばデジカメの通常撮影において連写合成(マルチショットNR)をしたら画質が良くなるのではないでしょうか
それ以前に、ISO100程度の低感度時においても、マルチショットNRは使えるのでしょうか?
近い内に試してみたいと思いますので、期待せずにお待ちください。
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