Log撮影では何故ISO感度を高くするのか?

動画のLog撮影には全く興味はないのですが、どうしても知りたい事があります。

それはLog撮影においては、何故ISO感度を上げてとるのかという事です。

当然ながらダイナミックレンジが一番広いのは、最小ISO感度時です。

にも拘わらず、何故ISO感度を上げて撮るのでしょうか?

長年疑問だったのですが、キヤノンのテクニカルサイトにあります下のチャートを見て思い付いた事があるので、忘れない内にメモしておきます。

これは、キヤノンのEOS C500系におけるISO感度とダイナミックレンジに関するチャートです。

スーパー35mm相当のCMOSセンサーを搭載したEOS C500

このチャートを見ると、最も低感度のISO320において、ダイナミックレンジが他のISO感度と同じ12ストップ(3.9+8.1)になっています。

またS/N比も他と同じ54dBですが、数値上は同じでも理論上ISO320が一番ノイズが少ないのは間違いありません。

ところがご覧の様に本機のLogガンマのベース感度は、ISO850になっています。

何故なのでしょう?

そう思って見ていたら、ようやく気付きました。

ISO850未満においては暗部のダイナミックレンジは広く、明部側のダイナミックレンジが低くなっています。

という事は、Log撮影は暗部よりも明部を優先する思想なのでしょう。

確かに異なるシーンで(暗部よりも)空等の明るい部分の濃度を均一に保つためだとしたら、明部側のダイナミックレンジが拡くなるISO850に設定する方が妥当です。

映画の連続シーンにおいては、(暗部よりも)明るい部分が統一されていた方が違和感が少ない

実際の映画の様に連続するシーンでも飛び飛びで撮影するとなると、暗部よりも明部を均一の濃度に仕上げた方が連続して見た場合、違和感が少ないと思われます。

生憎裏付けは無いのですが、少なくともこのチャートを見る限り、その説明で大きな間違いはない様に思われます。

コメントを残す