マルチショットノイズ低減機能は低感度でも効果はあるのか調べてみた

2021/11/28

キヤノンのカメラに搭載されているマルチショットノイズ低減機能(以降マルチショットNRと呼ぶ)をご存知でしょうか。

これは同じ被写体を複数枚撮影の上合成してノイズを減らす機能なのですが、メニューの奥まった所にあるので、その存在すらご存知ない方も多いかもしれません。

EOS Rシリーズのマルチショットノイズ低減機能のメニュー画面

またご存知だとしても、本機能は動体には不向きで、且つJPEGでしか使えず、更に”高感度撮影時のノイズ低減”の中にある機能なので、普通に低感度で撮っている分には全く関係ないと思われるかもしれません。

そんな訳で、このマルチショットNRは果たしてISO100の様な低感度でも使用できるのか?

そしてその効果はいか程なのかについて、EOS R6を使って調べてみましたので、結果をお伝えします。

試験条件

使用する機材はEOS R6と標準ズームレンズのRF24-105mm F4L USMで、下にあります1.5m程先にあるマネキンを撮っていきます。

EUTのマネキン

撮影する条件の組み合わせは、以下の通りです。

ISO\設定 高感度撮影時のノイズ低減レベル
OFF 弱め 標準 強め マルチショットNR
ISO12800 ●1.3M ●1.2M ●0.97M ●0.87M ●0.88M
ISO6400 ●1.2M
ISO3200 ●1.04M
ISO1600 ●0.99M
ISO800 ●0.93M
ISO400 ●0.92M
ISO200 ●0.94M
ISO100 ●0.89M ●0.89M ●0.87M ●0.84M ●0.87M

ちなみに上記表の数値はJPEGファイルの容量を表しており、ノイズが増えるのに連れて、ファイル容量も増えるのが分かります。

ISO12800におけるマルチショットNRの効果

それでは早速試験結果をお見せしましょう。

先ずは、ISO12800におけるノイズ低減OFFとマルチショットNRの比較です。

ISO12800のノイズ低減OFF(左)< ISO12800のマルチショットNR(右)

画像が小さくて恐縮ですが、これくらいの大きさでもマルチショットNRの方が色ノイズが大幅に軽減されているのが分かると思います。

ちなみにこのマルチショットNRの画像が、どれくらいのISO感度の画像(ノイズ低減OFF)と同じ画質になるか調べた所、ISO3200とISO1600の間といった所なのでISO2400と同等レベルとしておきます。

ISO12800のマルチショットNR(左)≦ ISO1600のノイズ低減OFF(右)

連続でたった4枚撮っただけで、2.5段もISO感度を稼げるのは、かなり魅力的ではないでしょうか。

ISO12800におけるマルチショットNRとノイズ低減の比較

ついでにこのマルチショットNRの画像を、ノイズ低減レベルをにした写真と比べてみます。

ISO12800のノイズ低減レベル強(左)≦ ISO12800のマルチショットNR(右)

これをご覧頂きます様に、ノイズ低減レベルを強にした場合も色ノイズは軽減しているものの、マルチショットNRより僅かにノイズが残っています。

また目に掛かった細い髪の毛が所々薄くなっている事から、解像度も低下している事が分かります。

ISO100におけるマルチショットNRの効果

続いては、いよいよISO100の試験結果です。

ISO100のノイズ低減OFF(左)≦ ISO100のマルチショットNR(右)

いかがでしょうか。

何となく右の写真の方が明るく見え、肌も滑らかな様に見えます。

それに伴って、全体的なコントラストも僅かながら上がった様にも見えます。

と言うのは気のせいではなく、拡大してみると間違いなくマルチショットNRの方が画質が上がっています。

仮にこの場合も2段以上画質が上がったとなると、ISO感度25の高画質が手に入る事になります。

ISO25のコダクローム25

生憎、マルチショットNRはJPEGしか使えないのですが、とにかくデジカメの画質を極めたいと思う方には、ISO100でのマルチショットNRはかなり有効だと言えます。

ISO100におけるノイズ低減OFFと強の比較

ところで、そうなると少々気になる事があります。

恐らくEOS Rシリーズのユーザーの大多数の方は、高感度撮影時のノイズ低減は、常時デフォルトの標準に設定されているのではないでしょうか?

かく言く幣サイトもそうなのですが、もしかしたらこのノイズ低減処理はISO100の低感度時も働いているのではないでしょうか?

もしそうならば、折角ISO100の最高画質で撮っているにも関わらず、無駄に解像度を低下させている恐れがあります。

そんな訳で、ISO100におけるノイズ低減処理OFFの差を比べてみる事にしました。

ISO100のノイズ低減OFF(左)≦ ISO100のノイズ低減強(右)

これをご覧頂きます様に、ノイズ低減処理の方が若干滑らかに見えます。

このため、メニュー上では高感度撮影時のノイズ低減とありながら、ISO100の低感度時もノイズ低減処理を行っていると思われます。

ただし目に掛かっている毛髪を見ると、解像度には殆ど差が無さそうです。

そんな訳で、ノイズ低減は常時標準に設定しておいて問題無いと言えそうです。

まとめ

以上をまとめますと、以下の様になります。

①高感度撮影時にマルチショットNRを使えば、解像度を低下させる事無く大幅にノイズを低減させる事ができ、その効果をISO感度で表すと2.5段分と言える。

②高感度撮影時のノイズ低減を使った場合、確かに見かけのノイズは減るが、それと共に解像度が低下する。

③マルチショットNRは、ISO100の様な低感度時も有効であり、その場合ISO25の高画質が得られる事になる。

④ノイズ低減処理は低感度時も行われているが、解像度には大きく影響しないため、常時”標準”に設定しておいて問題はなさそうである。

さて、ここまで分かってくると、マルチショットNRは、どこまで動いている被写体に対応できるか知りたくなってきます。

これについてはまたいつか、調べてみたいと思います。