動画性能に関するニコンの強み

2022/04/09

ご存知の方も多いでしょうが、ニコンの中期計画が発表されました。

今まででしたら、恐らく何の興味もなかったでしょうが、Nikon Z 9が発売されてからは俄然興味が湧いてきます。

ニコン中期経営計画(2022~2025年度)説明会資料

内容は上の通りですが、目を惹いたのが以下の一文です。

動画機能を強化し動画クリエーターへ訴求

以前だったらこんな月並みな文章を読んだら、却ってガックリしたかもしれません。

何しろニコンの強みは色々あるでしょうが、従来傍(はた)から見て思う一番の弱みは動画機能だったからです。

例えばキヤノンのEOS -1D X Mark IIIは4K60PのRAW動画が撮れながら、Nikon D6は4K30Pがやっとだったのですから。

動画機能が大幅にアップされたEOS -1D X Mark IIIと動画機能は月並みなNikon D6

ところが、Nikon Z 9で8K60Pに対応すると聞いてからは、これからニコンの動画機能が台風の目になると思う次第です。

正に業界のゲームチェンジャーとも言えるNikon Z 9

何故ならば、ニコンのライバルであるキヤノンもソニーもパナソニックも業務用動画機を販売していながら、ニコンだけはそんな製品が無いからです。

それだけ聞けば、むしろそれがニコンの弱みの様に思ってしまいますが、逆にこれこそがニコンの強みなのです。

何しろ他社においては、迂闊に民生用カメラの動画機能を向上させてソコソコの値付けで売り出すと、自社のビデオ事業の立場を危うくさせる恐れがあるからです。

実際ソニーがα7S IIにおいて、ボディー内手振れ補正と4K動画の内部収録ができる様にして売り出した途端に、同じ撮像素子を使っていながら先代のα7Sより2倍(20万円)近く価格を吊り上げたのは、この辺の事情があったからなのはほぼ間違いないでしょう。(詳細はこちら

初値22万円のα7S(左)と初値40万円のα7S II(右)

それに対してニコンは、動画機能に関してそんなしがらみが一切無いのです。

そう考えると、Nikon Z 9があの値段(60万円)で8K60Pに対応するのも、何となく頷(うなづ)けます。

そんな訳で、今後発売されるであろう動画機能を強化したニコン機は、他社より明らかに安い値付けで登場してくると思うのですが、いかがでしょうか。

恐らく今年後半に登場するであろう、4K120Pに対応したNikon Z 6IIIが本当に楽しみです。

2件のコメント

自分もニコンは「業務用ムービーカメラを作ってない」が逆にアドバンテージになってると思います。
どうせ報道、テレビ局はパナとソニーの独壇場(というより利権化してる)ですし、それ以上の映画業界はARRIやREDが高いシェアを握っていてCanonですら苦戦を強いられてますので、下手な業務用ブランドを作るよりは安価な民生機に全力の動画性能をブチ込んでYouTuberやフリーランスの動画クリエイターをターゲットにした方がいいと思います。

もしニコンに本気で動画やる気があるなら「Cine Nikkorを復活させて全力でシネマレンズを作ってボディはBlackmagicDesignとZマウントアライアンスをしてゴリゴリのシネマカメラを作ってもらう」とかじゃないかな。

お初のコメントで恐れ入ります!確かにBlackmagicDesignボディとのタッグは選択肢も増えて、コンシューマーにとって夢のコラボ感がありますね!

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