2022/5/28
良く言って頂けました、ソニーさん。
正に仰る通りです。
と言っても、もちろん皮肉でも何でもありません。
本当にそうなると思っています。
ソニー セミコンダクタソリューションズのCEOが、事業説明会において以下の様に語ったそうです。
「ここ数年以内に、静止画では一眼カメラの画質を超えると見ている」
そして下にあるその資料によれば、その日は2024年との事です。
恐らくいきなりそんな話を聞かれたら、普通の人ならウソだろうと思われる事でしょう。
ですが、幣サイトを覗いて頂いている方でしたら、下のチャートを思い出して頂いたのではないでしょうか。
これはスマホと一眼カメラの1画素の大きさを比べたチャートです。
そして赤線は一眼カメラがISO100で撮るのに対してスマホがISO25で撮った場合(もしくはスマホが4枚の画像を合成して1枚の写真にした場合)の、1画素の受光量を表しています。
ここでもし画質が1画素の受光量に比例するとしたら、一眼カメラのスマホに対する画質の優位性は最大でも3段しかないのです。
そして既に一部の一眼カメラ(例えばキヤノンの3250万画素のAPS-Cサイズ機)の画質は、スマホに追い付かれているのです。
そうなると、今後スマホの撮像素子が若干大きくなり、レンズも若干口径が大きくなり、さらにソニーが呼ぶ所の2層トランジスタ画素技術が実用化されれば、確かに数年後にはスマホの画質は一眼カメラを超える事になります。
実際下のプレゼン資料によれば、2024年にはスマホの撮像素子は今より凡そ2倍の大きさになるそうです。
更には、 2層トランジスタ画素積層型CMOSイメージセンサーが実用化された暁には、同じ大きさの1画素であっても受光量が2倍になります。
これによって上のチャートの赤線は、2段(4倍)分右によりますので、一眼カメラを抜くのは時間の問題と言っても良いでしょう。
これでソニーのCEOが言われた事は、至極当然の事だというのが分かって頂けたと思います。
そしてこれは、何もソニー セミコンダクタソリューションズのCEOだけが思われているのではなく、ソニーグループ全体も、ひいてはスマホ業界やカメラ業界全体も恐らく同じ認識なのでしょう。
では一眼カメラが2年後に駆逐されるのかと言えば、そうでもありません。
たとえ画質が追い付いた所で、一眼カメラの優位性はまだあります。
先ず1点目は、この一眼カメラの画質を抜くのは、ISO25で撮れる光がタップリある場合で、暗くなると4枚の画像を合成するしかありません。
恐らく昔気質の方でしたら、合成写真と聞いただけで、何となく違和感を覚えるのではないでしょうか。
高速連写の合成(マルチフレーム処理)なので、一昔の合成写真とは少し意味合いが異なるのですが、やはり本来の意味である”写真”とは違う様な気がしないでもありません。
またいざとなれば、(暗闇では弱くなりますが)画質優先でISO25で撮れる一眼カメラを作れば良いのです。
またもう一つ安心材料があります。
それはボケです。
スマホはこれまた合成とデジタル処理によってボケを作り出していますが、所詮ボケモドキでしかありません。
そして最大の安心材料は、以下の言葉の中に隠されています。
「ここ数年以内に、静止画では一眼カメラの画質を超えると見ている」
すなわち動画の場合、4枚のフレームを合成している暇など(今の所)ないので、当面は一眼カメラの方が動画の画質は良いのは間違いありません。
ただし、これについてもいつか追い越される日が来るのでしょう。
困ったものです。
コメントを残す
コメントを投稿するにはログインしてください。