誰でも撮れる、星空撮影の事前セッティング

2022/05/27

はじめに

一昔前でしたら、星を撮るには、絞りを開け気味にして、ピントを無限遠にして、シャッタースピードをBにして、レリーズを押してノンビリ待つだけでした。

ところが今では、ホワイトバランスだのノイズ低減だの手振れ補正だのと、事前にカメラを星空撮影用にセットしておかないとと、暗闇でオロオロする事になりかねません。

そんな訳で、星空撮影のセッティングをメモしておきます。

星空撮影の事前セッティング手順

1: 長秒時ノイズ低減の解除

夜間の長時間露光においては、本来長時間ノイズ低減をONすべきなのですが、先ずはそれを解除します。

その理由は簡単で、撮影時間が非常に長くなるのを防ぐためです。

そもそも長時間ノイズ低減とは、撮影後に真黒の画像を同じ時間だけ撮影して、それで発生したノイズ分を撮影時の画像から差し引いてやろうというものです。

ですから、もし30秒間の露光を行うと、同じく30秒間の真黒画像の撮影が行われますので、トータルで1分間何もできなくなってしまいます。

本番撮影ならしかたがないのですが、先ずはピントや露出や構図の確認をしなければいけない時に、この余分な30秒は甚だ無駄です。

さらに真黒画像を高感度で長時間撮影しますので、電池もその分多く消耗します。

このため、できれば1回真黒画像を読み込んだら、以降はその画像を使って長秒時ノイズ低減処理をやってくれれば良ささそうなものですが、撮像素子の温度等が変わるのでそれも難しいのでしょう。

また長時間ノイズ低減は、同じ所に同じ様に発生するノイズは除去できますが、高感度撮影で発生するザラザラしたノイズは除去できません。

そんな訳で、本番撮影以外は長秒時ノイズ低減をOFFにしておきましょう。

2: 2秒タイマーのセット

シャッターを押した瞬間の振動を防ぐため、2秒タイマーをセットします。

3: ホワイトバランスの設定

ホワイトバランスはオートで構いません。

ただし、赤みを掛けたかったり、逆にもっと青みを掛けたい場合は、ホワイトバランスも調整しておきます。

4: 手ブレ補正機能の解除

三脚を使って撮影する場合、手ブレ補正機能は却ってブレの原因になりかねません。

このため手ブレ補正機能をOFFにしておきます。

5: マニュアルフォーカスの設定

星空は光量が少ないため、(中には星にもAFが働くというカメラもありますが)オートフォーカスは働きません。

このため、マニュアルフォーカスに設定して、ピントリングで調整できる様にしておきます。

6: 露出設定

次は、露出設定です。

デジカメの性能は非常に良くなってきており、今では殆どの場面では自動露出で撮れる様になってきました。

ですが、さすがに星空は光量が少なくて自動露出ではうまく撮れません。

このため、モードダイヤルをマニュアルにして、目安として絞りをF2.8、シャッタースピードを30秒ISO3200にセットします。

7: ストロボの設定

もし人物も一緒に撮影するのであれば、ストロボも用意しなければなりません。

この場合、ISO100でガイドナンバー1程度まで光量を落とせる物が必要になります。(詳細はこちら

もし落とせない場合は、色味が変わってしまいますが、発光面に白紙等を貼る必要があります。

9: レンズの清掃

忘れならないのが、レンズの清掃です。

星空撮影では背景が暗いので、昼間の撮影以上にフレアが目立ち易くなります。

うっかりレンズに指紋でも付いていると、明らかにコントラストが低下しますので、しっかり清掃しておきます。

10: フィルターも外す

同様の理由で、できればフィルターも外しておきましょう。

11: フードを付ける

暗くてなぜフードが必要なのかと思われるかもしれませんが、星空撮影においては周囲の街灯や街明かりの僅かな光が大敵なのです。

このためフードは、必ず付けておきましょう。

またフードで防ぎきれない場合は、可能限り不要な光は遮(さえぎ)りましょう。

星空撮影の肝はここです。

12:三脚に取り付ける

最後のカメラを三脚に取り付けます。

できる事ならば、ここまでは明るい室内でやっておきます。

撮影

後は星が見える屋外にカメラを持ち出して、ピントを星(もしくは遠くの街灯)に合わせて、シャッターボタンを押すだけです。

ウマクいきましたでしょうか。

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