目次
はじめに
以前下の記事で、Leica M11のトリプルレゾリューションは、一体全体どうやってやっているのか?、という話をさせて頂きました。
それから1年以上経って、ようやくその方法が分かりましたので、ご紹介したいと思います。
キヤノンのRAWファイルの画素数(解像度)変更機能
ライカとは異なるのですが、実はキヤノンの一眼レフでもRAWファイルの画素数(解像度)変更が可能でした。
例えばEOS 5D Mark IVにおいては、RAWファイルが3010万画素に対して、M-RAWが1690万画素(56%)、S-RAWが750万画素(25%)でした。
その解像度の変更方法を示した特許(2004-260813)を、ようやく見つけたのです。
RAWファイルの解像度(画素数)を25%に縮小する方法
それから抜粋した図が、以下になります。
この図を見て頂ければ、一目瞭然でしょう。
簡単にご説明しますと、先ず大元の4×4のベイヤー配列の中から、R、G1、G2、Bの画素を4個ずつ抜き出します。
次にこの4個の画素の平均値を求めます。
そしてそれを、2×2のベイヤー配列に当てはめます。
そうする事で、RAWファイルの解像度(画素数)を25%(4/16)に縮小する事ができるという訳です。
RAWファイルの解像度(画素数)を44%に縮小する方法
次に下は、44%(16/36)に縮小する場合です。
これについては、もう細かく説明する必要はないでしょう。
いやはや、実にウマイ手を思い付いたものです。
Leica M11のトリプルレゾリューションを知った当初は、それこそ三日三晩悩んだのですが、全く考え付きませんでした。
なおLeica M11の場合は、6000万画素を3600万画素(60%)と1800万画素(30%)に変更できるのですが、マトリックスが異なるものの、恐らく考え方は似た様なものなのでしょう。
画質は良くなるのか?
では、これによって解像度を落とした場合、果たして画質(ノイズレベル)は良くなるのでしょうか?
この場合複数の画素を加算平均するので、良くなる可能性は十分あります。
ただしそれが言えるのは、青空や暗闇の様に周囲の色が均一のときで、細かい模様の場合はむしろ解像感の低下につながるため(広義な意味での)画質が良くなるとは言い難いのかもしれません。
とは言え、周囲が均一な色の場合、画質(ノイズレベル)が向上するのは間違いありません。
そうなると、今まででしたらこの機能は(カメラ本来の性能を低下させるので)邪道だと思っていたのですが、むしろ使う価値のある機能です。
キヤノンの対応
ところが、キヤノンのこの機能は、何故かミラーレスカメラのEOS Rの発売された2018年以降廃止されて、代わりにRAWファイルを非可逆圧縮したC-RAWに変わりました。
これはもったいない。
C-RAWが使える様になったとしても、この機能は残すべきでしょう。
どうみても最近のキヤノンは、やる事なす事が市場と乖離しているとしか思えません。
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