XAVCのSとHSとS-Iの違い

はじめに

XAVC S、XAVC HS、XAVC S-I

これは何だかご存知でしょうか?

これはソニーの動画記録方式の名称なのですが、恐らくいきなりソニー機を買って動画を撮ろとすると一瞬面食らうでしょう。

α7S IIIのメニュー画面

自分は、この内の一体どれを選べば良いかと。

或いは、ソニーは他社と異なる独自の動画フォーマットを使っているのではないかと。

今回はその疑問を完全にクリアーにして差し上げたいと思います。

XAVCの由来

先ずXAVCの意味ですが、以前はAVC(Advanced Video Coding)だったのですが、4K対応になりXAVC(eXtremely Advanced Video Coding)となったという訳です。

ならばソニー独自のファイル形式かと思いきや、ファイル形式は一般的なMP4です。

ではこれらは一体何のかと言えば、単に圧縮方法の違いを、ソニー独自の呼び名で表しているのにすぎないのです。

特徴と用途

それでは、各々の特徴と用途をまとめると以下の様になります。

記録方式 特徴 用途
XAVC S
(4K/FHD)
業務用の動画用フォーマットXであるAVCをベースに、一般向けに取り扱いやすいMP4形式で記録するために開発されたフォーマット。
映像の圧縮に、H.264(AVC)とLong GOPを採用。
標準
XAVC HS
(8K/4K)
圧縮効率の高いH.265(HEVC)コーデックを使用しており、XAVC S方式と比べると同じデータ容量でより高画質の動画を記録可能。
映像の圧縮にLong GOPを採用。
視聴用
XAVC S-I (4K/FHD) 映像の圧縮にIntra圧縮方式(All-I)を採用しており、Long GOP圧縮に比べて編集に適する。 編集用

この表を見て頂ければ、凡そ分かって頂ける事でしょう。

ちなみに、映像の圧縮を1フレーム毎に行っているのがIntra圧縮で、圧縮を複数フレームにまたがって行うのがLong GOP圧縮です。

また編集時のレスポンスや自由度はIntra圧縮の方が優れていますが、圧縮効率はLong GOP圧縮の方が優れています。

まとめ

以上をまとめると、以下の様になります。

もし貴方が、

動画を切り貼りして作品を作りたいのであればXAVC S

単に運動会や学芸会の記録用で特別編集もせず、最新の動画コーディックで容量を小さくして記録しないのならXAVC HS

更にもし非常に動きの激しい動画の編集をやるならXAVC S-I

となります。

という訳で、XAVCを無視してSがスタンダード、HSが高圧縮、S-Iがイントラと覚えておけば、忘れないでしょう。

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