今回は動画編集において、フレームレートは29.97fpsにするか30fpsにするかについてお話ししたいと思います。
今こちらにありますのは、DaVinci Resolveのプロジェクト設定の画面なのですが、ここにフレームレートの設定枠があります。
では皆様はここにある30fpsと29.97fpsのどちらを使われていらっしゃるでしょうか?
もしかしたら大多数の方が30fpsを選んでいるのではないでしょうか?
でも、少々過激に言わせて頂きますとそれは間違いです。
実は何を隠そう当方も、デジタルの時代になってなんでアナログ時代の名残ともいえる29.97fpsを使わなければいけないんだと思って、当初は何の躊躇なく30fpsを使っていました。
ところが少しずつ動画に関して知恵がついてくると、どうも30fpsは間違いで、むしろ29.97fpsにしておくべきだとの考えに至りましたので、その理由をお話したいと思います。
そもそも何故フレームレートが29.97と非常に中途半端な値になったのかは、存知でしょうか。
その昔NTSC方式のアナログテレビが白黒からカラー放送に移行する際、新たに追加した色情報が音声情報と干渉するため、止む無く29.97fpsに変更したのです。
だったらデジタル放送になってからは30fpsに変更すれば良かったのにと思わないではないのですが、色々なしがらみで29.97fpsのまま今日に至っているのでしょう。
それはともかく、現実的な話としては、現在発売されているどんなビデオカメラにしろミラーレスカメラにしろ、或いは数百万もする高価なシネマカメラにしろ、どれも30fpsで撮れるカメラはなく、全て29.97fpsしか撮れないのです。
ついでに言っておきますとiPhoneも29.97fpsしか撮れません。
もしかしたらどこかに1機種くらいは30fpsで撮れるカメラが存在するかもしれませんが、まずあり得ないでしょう。
という事は29.97fpsが現在の業界標準でもあり、且つ実質国際標準とまで言って良いフレームレートなのです。
だったら何も30fpsにする必要はないでしょう。と思いませんか。
実際両者を比較して差が分かる方など決していませんし、どちらで撮っても10分の動画は10分なのです。
要は実質的に二つの差は無いという事です。
一方、動画編集ソフトにおいてフレームレートを30fpsに設定するというのは、わざわざ書き出しの際にフレームレートを変更するという手間を掛けているのです。
すなわちその分パソコンに無駄な負担を掛けているのです。
では具体的にどうやって30fpsに変換しているかと言いますと、1分40秒の動画すなわち100秒の動画を撮った場合、100倍ですから30fpsが3000フレームなのに対して、29.97fpsでは2997フレームしかないので、どこかで同じフレームを3フレーム追加しなければならないのです。
ですから999フレーム、1999フレーム、2999フレームで1フレームをコピーして追加しているのです。
だったら何もそんな面倒な事をしなくても、29.97fpsで編集して書き出せば良いと思いませんか。
という事でまとめとしますと、フレームレート29.97fpsはアナログ時代の名残とは言え、現状全てのカメラはそれで撮影する様になっている事から、世界標準とも言える。
おまけに実質的な両者の差は全くない。
にも関わらず、パソコンに負荷をかける30fpsに変換するのは全く以って無駄な事なので、29.97fpsで撮って、29.97fpsで編集して、29.97fpsで書き出すべしという事です。
という事でご理解頂けましたでしょうか。
ですがここで一つ問題が発生します。
それは29.97fpsにした場合、それをドロップフレームとして扱うかノンドロップフレームとして扱うかです。
これについては次回お話したいと思います。
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