ドロップフレームなんて放送局でしか使われない

先般フレームレートは29.97fpsを使うべし、という話をさせて頂きました。

フレームレートは29.97fpsを基本とすべし

今回はその続きで、ドロップフレームタイムコードは決してONしてはいけないという話です。

ドロップフレームのタイムコードは決してONしてはいけない

その理由ですが、このドロップフレームなる言葉も、またドロップフレームタイムコードなる機能もテレビ局で使うもので、我々一般人には全く関係ないからです。

その昔テレビ局ではカラー放送開始に伴って、白黒放送との互換性を保つため、本来30fpsのフレームレートを止む無く29.98fpsに変更にしました。

NTSC方式のカラーテレビにおいてフレーム周波数が30Hzから29.7Hzに変更された

僅かな差とは言え、どこかで修正を加えないと、放送時間が長くなるにつれて本来のフレーム数との差がどんどん大きくなってしまいます。

具体的には10分間放送したとしたら、30fpsなら18000フレームなのに対して、29.98fpsだと17982フレームと18フレームの差が生じます。

この足りなくなったフレームをドロップフレームと呼びます。

この誤差を無くすためにどうしたかと言えば、辻褄を合わせるため10分間に18フレームを増やす様に、何とタイムコードを修正したのです。

具体的には丁度1分ずつ経ったときに、フレームの番号を2個増やして、10分経ったときはそのままとするタイムコードにしたのです。

説明が難しいのですが、29.98fpsで再生して1分後に1797(下のタイムコードで言うと27)、1798(28)、1799(29)とフレーム数が進んで、次は1800かと思いきや(2フレーム飛んで)1802(2)、1803(3)、1804(4)と進むと言えば、何となく分かって頂けるでしょうか。


そしてこの辻褄合わせのタイムコードを、ドロップフレームタイムコード(もっと正確に言えばドロップフレーム補正タイムコード)と呼ぶ訳です。

なおご存知だと思いますが、タイムコードの下二桁はフレーム数を表しており、最後のセミコロンがドロップフレームタイムコードである事を示しています。

いずれにしろ、どれも放送局でしか使わないものなので、一般人には全く関係ない話です。

もっと言えば、何も考えずに29.98fpsで撮って、29.98fpsで編集して、29.98fpsで書き出せば、全てが丸く収まるという事です。

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