中華のサムヤンから、EOS Rシリーズ用のAF 12mm F2 RF-Sが発売されるそうです。
通常でしたら中華製のレンズなんてと思うのでしょうが、今回は違います。
これは実に魅力的なレンズです。
レンズ名にRF-Sとあるので、当然ながらAPS-Cサイズでフルサイズ換算では19mmになります。
にもかかわらず、開放絞り値がF2.0と、かなり明るいレンズなのです。
下の写真は、EOS R8にRF16mm F2.8のレンズを装着して撮った天の川を背景にしたポートレートです。
こんな写真は今どき珍しくもないのですが、これをサムヤンのレンズを使って絞り開放で撮ったらどうなるでしょうか?
当然ながら焦点距離は16mmから19mmに伸びて、絞り値もF2.8からF2.0に1段明るくなるのですから、被写界深度も浅くなり星もよりボケて大きく写ると思われる事でしょう。
ところがどっこい、そんな事はないのです。
本ブログ内でしばしばお伝えしております様に、同じ画角の同じ絞り値であってもAPS-Cサイズのレンズはフルサイズに対して段数で1+1/3段、絞り値で1.6倍被写界深度が深くなるのです。
すなわちこのレンズは、フルサイズの19mm F3.2と同じ画角で同じ被写界深度の写真が撮れるのです。
被写界深度が同じという事は、フルサイズの19mm F3.2と背景のボケも同じ大きさになり、星の大きさも同じになるという事です。
という訳で早速RF16mm F2.8 STMとこのAF 12mm F2 RF-S(フルサイズの20mm F3.2)の被写界深度を調べてみました。
その結果、被写界深度もボケもほぼ同じなのです。
それでいて、このレンズの開放絞り値は1段明るいF2.0ですので、シャッタースピードを2倍速くできるのです。
これを画期的と呼ばずに、何を画期的と呼べば良いのでしょうか。
天の川ポートレートにおいては、被写界深度を深くして、少しでもシャッタスピードを速めたいと思うのが人情です。
ちなみに、先ほどの写真と同じ様な条件でこのレンズを使って撮ったとすると、画角が狭くなり下の黄色い枠内の様になります。
ところが、被写界深度は同じまま、シャッタースピードは半分の6.5秒で済むのです。
実は上の写真の奥側には灯台があって、それが8秒おきに点滅します。
シャタースピードを6.5秒にできれば、この灯台の明かりを避けて撮る事も可能です。
とは言え、APS-Cサイズにクロップすると画素数は1/2.6になり、EOS R8の2400万画素ですと940万画素に減ってしまうのですが、4K(800万画素)以下のモニターで見る限り何の支障もありません。
気になるお値段ですが、ソニーEマウント用のAF 12mm F2 Eが3.5万円なので、恐らくRFマウント用も似た様な値段でしょう。
また重さは213gとの事で、RF16mm F2.8(165g)やRF50mm F1.8(186g)よりは重いものの、軽量レンズと呼んで良いでしょう。
という訳で、このサムヤンのAF 12mm F2 RF-Sは画素数が減るものの、星空ポートレートにおいて安い、速い、深い、軽いの4拍子揃ったレンズだと言えます。
そんな訳で、生まれて初めて中華レンズに手を出してみようかと思うのですが、結局中古品になるのでしょう。
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