APS-Cサイズで85mm F1.2相当のレンズは造れないのか?

はじめに

常々思うのですが、APS-Cサイズでフルサイズの85mm F1.2と同じボケ量のレンズを造る事はできないものでしょうか。

EOS R6とRF85mm F1.2L USM

ご存知の様にAPS-Cサイズ機に対するフルサイズ機のアドバンテージは、ボケと画質と高感度特性だけと言っても良いくらいです。

それ以外は間違いなくAPS-Cサイズ機の方が優れています。

また画質と高感度特性については、画素数を減らせば対応できます。

特に4Kクラスの動画機であれば、それこそ1000万画素あれば十分で、それならフルサイズ機の2400万画素クラスと同程度の高感度と画質になります。

ですが問題はボケです。

口径

APS-Cサイズのレンズでフルサイスの85mm F1.2と同じ画角で同じボケ量となると、57mm F0.8のレンズが必要になります。

ちなみにこの場合、以下の通りレンズの有効口径は71mmです。

有効口径=焦点距離÷絞り=57mm÷F0.8=71mm

当然ながらフルサイズの85mm F1.2の有効口径も71mmです。

そうなると造れない事も無い様に思うのですが、どうなんでしょう?

可能性

ご存知の様に、フジフィルムにはAPS-Cサイズ用でXF50mmF1.0 R WRなる大口径レンズがあります。

開発を中断したXF33mmF1 R WRと代替として開発されたXF50mmF1.0 R WR

ところが、このレンズの前にXF33mmF1.0 R WRなる別のレンズを計画していたのをご存知でしょうか。

ちなみこれがフルサイズ換算で、50mm F1.4クラスになります。

しかしながら開発を進めるうちに外形がどんどん大きくなり、ついには比較的小型化できるこのXF50mmF1.0 R WR(フルサイズ換算で75mm F1.5)に変更したとの経緯(いきさつ)があります。

という事は、当初の予想以上に大きくなって中断したとは言え、その気になればAPS-Cサイズ用の大口径レンズはいくらでも造れそうな感じです。

価格

仮にAPS-Cサイズの57mm F0.8のレンズが造れるとしてですが、問題は価格です。

一体いくらぐらいになるのでしょうか?

ちなみに先ほどのXF50mmF1.0 R WRが20万円です。

これから57mm F0.8の値段を予測する事は不可能なのですが、参考になる事があります。

それはXF50mmF1.0 R WRの値段は、フルサイズの50mm F1.2よりは安いという事です。

F1.2とF1.0では段数で1/2段も違いますが、それでもイメージサークルの小さいAPS-Cサイズの方が安いのです。

そうなると(根拠は甚だ薄いのですが)、もしかしたらAPS-Cサイズの57mm F0.8のは、フルサイズの85mm F1.2より安くなるのではないでしょうか?

仮にそうだとしても売れる可能性は甚だ低いのですが、買わなくてもいざとなったら在るというのと、無いというのでは雲泥の差です。

そうなると、このXF50mmF1.0 R WRを(どんなに大きくても良いので)思い切ってXF57mmF0.8 R WRにしてくれてれば良かったのにと思わないではいられません。

もっと言わして頂ければ、マイクロフォーサーズで42.5mm F0.6のレンズでも構いません。

これもまたフルサイズ換算で、85mm F1.2の画角とボケが表現できます。

両陣営とも既存ユーザーや入門者だけでなく、フルサイズのユーザーを取り込む施策も必要ではないでしょうか。

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