NVIDIAのLook-aheadに関する記述は間違っている

これもまたどう考えてもオカシイ。

NVIDIAのLook-aheadに関する記述の抜粋

前回のOBS Studioに続いて、今回はNVIDIAにおけるLook-aheadに関する以下の記述です。

Look-ahead: Checked. This allows the encoder to dynamically select the number of B-Frames, between 0 and the number of B-Frames you specify. B-frames are great because they increase image quality, but they consume a lot of your available bitrate, so they reduce quality on high motion content. Look-ahead enables the best of both worlds. This feature is CUDA accelerated; toggle this off if your GPU utilization is high to ensure a smooth stream.

これを自動翻訳に掛けると以下の様になります。

Look-ahead: ON

これにより、エンコーダは B フレームの数を 0 から指定した Bフレームの数までの間で動的に選択できるようになります。

Bフレームは画質を向上させるため優れていますが、利用可能なビットレートを大量に消費するため、動きの多いコンテンツの品質が低下します。

Look-aheadにより、両方の長所を活用できます。 この機能は CUDA で高速化されます。 GPU 使用率が高い場合は、スムーズなストリームを確保するためにこれをオフに切り替えます。

これもどうみても変でしょう。

本来一番画像情報を持っているのは、Iフレームです。

そして間違いなく、PフレームとBフレームはそれより少ない画像情報しか持っていません。

このためBフレームが増えれば増えるほど、画質が悪くなる事があっても良くなる事は決してありません。

にも関わらず、”Bフレームは画質を向上させるため優れています”なんてあり得ないでしょう。

英文も”B-frames are great because they increase image quality”となっており、直訳すれば”Bフレームはすばらしい、何故ならば画質を向上させるからだ”となり、やはり意味は同じです。

まさかGPUの最先端の企業がこんなミスをするとは思えないのですが、どうみても間違っています。

ただしもう一つ別の考え方があります。

Bフレームが増えれば、データ量が減る分ビットレートに余裕ができます。

このため画面変化の激しい動画においては、フレーム内圧縮を控えめにしてブロックノイズの発生を抑える事ができますので、これを画質向上と呼ぶ事も可能です。

ところが次の文章を読むと、”Bフレームは、利用可能なビットレートを大量に消費する”とあります。

こんな事、あり得ないでしょう。

大量に消費するのは、VPUの能力です。

そんな訳で、これを正しく書き直すと以下の様になります。

Look-ahead: ON

これにより、エンコーダは Bフレームの数を 0 から指定した Bフレームの数までの間で自動的に選択してくれます。

Bフレームは動画のデータ量を大幅に減らす事ができますが、画面変化の激しい動画においては(減らし過ぎて)画質が低下する恐れがあります。

Look-aheadをONする事により、Bフレームの数を自動で制御してくれるので、テータ量と画質のバランスを取ってくれます。

この機能は CUDA で高速化されます。 GPU 使用率が高い場合は、スムーズなストリームを確保するためにこれをオフに切り替えます。

こんな記事をド素人がいくら書いても、誰も信じてはくれないでしょうが、NVIDIAの記述はどう考えても間違っています。

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