EOS R6における動画の自動露出パタン

はじめに

最近RF35mm F1.8 STMを使って動画を撮る機会が多くなってきたので、本レンズを使った場合の動画AUTO(キヤノンが呼ぶ所の動画自動露出)での露出パタンを知りたくなってきました。

EOS R6の動画露出モードはAUTOとマニュアルしかない

またその露出パタンは、静止画のP(プログラム)モードとどれくらい違うのでしょうか?

そして動画AUTOを使って、屋外で絞り開放で撮る事はできるのでしょうか?

EOS R6

という訳で、いつもの通りEOS R6を使って調べてみました。

静止画の露出パタン

Pモードでの標準露出パタン

先ずはEOS R6にRF35mm F1.8STMを装着した状態での、Pモードでの露出パタンです。

RF35mmのPモードにおける露出パタン(低速限界を0に設定)

露出パタンは、下にありますISOオートの低速限界の設定によって変わりますので、上はデフォルトの0に設定した状態です。

ISOオートの低速限界の設定メニュー

ご覧の通り、屋外の明るい場所で撮影すると、かなり絞り気味になるのが分かります。

Pモードでの高速露出パタン

もっと絞りを開け気味にできないかと思い、ISOオートの低速限界を速めの+3(シャッタースピードを速め)に設定したのが、以下になります。

RF35mmのPモードにおける露出パタン(低速限界を+3に設定)

ご覧の通り、確かにシャッタースピードは速めに維持されるのですが、その分ISO感度を上げ気味にして、やはり明るい所では絞り気味になります。

ただしEV10で絞り開放になりますので、ここで5段分減光するND32フィルターを付けたとしたら、屋外の撮影でもF1.8を維持した撮影が可能になります。

ただし、そうするとISO感度が無用に上がってしまいますので、好ましくありません。

PモードでのISO100固定露出パタン

そこで思い付きました。

ここでISO感度を100に固定したらどうなるでしょう。

そう思って試した結果が以下になります。

RF35mmのPモードにおける露出パタン(低速限界を+3に設定しISO100に固定)

ご覧の通りで、ISO感度を100に固定しても、どうしても絞り気味になってしまいます。

低速限界を+3(シャッタースピードを速め)に設定しているのですから、もっとシャッタースピードを上げて、絞りを開けてくれても良さそうなのですが、キヤノンの考えはそうではない様です。

とは言え、これは本筋の話ではありません。

何しろ静止画撮影の場合、絞り優先モードがあるのですから。

問題はそれがない動画です。

動画の露出パタン

AUTOの露出パタン

下は、同じくEOS R6にRF35mm F1.8 STMを装着した状態で、FHD120P動画にして露出モードをAUTOにした場合の露出パタンです。

RF35mmの動画AUTOにおける露出パタン

ご覧の通り、今までの静止画の露出パタンと大きく異なります。

それもその筈で、FHD120Pの動画ですと1秒間に120枚の静止画を撮る事になるので、1/125秒以下の遅いシャッタースピードは使えないからです。

それはともかく、やはり明るい所での撮影ではたっぷり絞られ、被写界深度の浅い動画を自動露出で撮る事はできそうにありません。

また、仮にND32フィルターを使ったとしても、明るい所では絞り開放で撮る事は決してできないと断言できます。

ですがちょっとお待ちください。

AUTOの露出パタン(ISO100固定)

ここでISO感度を100に固定したらどうなるでしょう。

シャッタースピードは1/125秒以下には遅くできないので、動画でしたら早めに絞り開放になるかもしえません。

期待に胸を膨らませて調べた結果が以下になります。

と、チャートをお見せしたかったのですが、ダメでした。

動画AUTOは、(ISO AUTOだけで)ISO100の固定はできないのです。

動画AUTOを選ぶと、自分で設定できるのは露出補正だけ

もうガックリです。

考えてみれば静止画のAUTOモードもISO感度は、カメラ任せで手動では調整できません。

結論

そんな訳で、結論です。

静止画のPモードであれば、ND32程度の濃いNDフィルターを使えば、ISO感度は上がるものの、明るい所でも絞り開放で撮る事はできる。

ところが、動画AUTOにおいては、明るい所で絞り開放にする事は(ND1024のフィルターでも使わない限り)現実的には不可能である。

やはり被写界深度の浅い動画を撮るには、マニュアルモードを使うしかなさそうです。

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