先日、Nikon Z 9は、2900万画素機並みの高画質も出力できるという話をさせて頂きましたが、今回はその静止画版のお話です。
下はフジフィルムの中判サイズのGFX50S IIと35mmフルサイズのNikon Z 9です。
恐らく勘の良い方でしたら、この2台を見た瞬間に何を言いたいか薄々お気付きでしょう。
そうなのです。
解像度は若干劣りますが、Nikon Z 9はGFX50S IIとほぼ同じ画質の写真を撮れるのです。
当然ながら同じISO100で撮り比べれば、両者の撮像素子の大きさは1.7倍も異なりますので、GFX 50S IIの方が画質が良いのは間違いありません。
ところが、Nikon Z 9はISO64で撮れるのです。
ISO64と聞くと、その分シャッタースピードを遅くしたり、絞りを開ける事になるので、ブレやピンボケを恐れて殆ど使わない方も多いと思います。
ところが、光のある所に影があり、影のある所に光有り。
これによって画質が向上する事を忘れないで下さい。
下のISO感度の目盛りをご覧頂きます様に、ISO64(下のISO63)はISO100に対して2/3段感度が劣る事になります。
このため、ISO64で撮るには、シャッタスピードを2/3段遅くする、或いは絞りを2/3段開けなければなりません。
すなわちISO64で撮るという事は、ISO100より2/3段光を多く取り込んでいる事になります。
2/3段を倍数で表すと、100÷64で1.6倍光を多く取り込んでいる事になります。
という事は、ISO100と比べて撮像素子の大きさが1.6倍になったとも言えます。
1.6倍と聞いてピンときた方は、鋭い方です。
先ほどお伝えしました様に、中判サイズと35mmフルサイズの撮像素子の面積は1.7倍異なりますので、ISO64で撮ると同じとまでは言わないまでも、ほぼ似たサイズになると言えるのです。
更にです。
これをもっと正確に、1画素の大きさで比べてみます。
GFX50S IIの1画素の大きさは、単純計算で28μm2(44mm×33mm÷5140万画素)になります。
一方Nikon Z 9の1画素の大きさは、19μm2(36mm×24mm÷4571万画素)になります。
更にこの19μm2を1.6倍すると30μm2になり、何とGFX50S IIの28μm2を追い抜いてしまうのです。
そんな訳でNikon Z 9を使ってISO64で撮ると、解像度は若干劣りますが中判カメラ並みの高画質の写真が撮れるというお話でした。
実際にそうなるかどうか、両機のISO100とISO64の写真を見比べてみたいものです。
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