DPREVIEWの奇妙な記事

2022/11/13

はじめに

DPREVIEWEOS R6 Mark IIに関する記事をご覧になりましたでしょうか?

EOS R6 Mark II

誰がどう見ても、突っ込み処満載です。

無駄な前置きを抜きにして、早速この記事の奇妙な所をお伝えしましょう。

解像度

真っ先に奇妙に思ったのが解像度の記述です。

The increase in sensor resolution from 20 to 24 megapixels is a fairly subtle advance, translating to just a 10% boost in linear resolution – not really worth upgrading for.

DPREVIEWによれば、EOS R6は2000万画素でEOS R6 Mark IIは2400万画素なので、リニアに丁度10%ブーストされたとあります。

これはどうみても、日本語でいう所のオタク文章でしょう。

リニアに10%と言うのは、恐らく長さ方向で10%アップしたという意味なのでしょうが、面である撮像素子の解像度を一次元の長さ方向で述べる意味は全くありません。

主走査方向と副走査方向で独立した解像度を持つイメージスキャナーやプリンターじゃあるまいし、本来ならば解像度は20%アップしたと、シンプルに言うべきでしょう。

またこの10%というのは、24÷20の平方根(1.09544…)から1を引いた値なのでしょうが、その場合の値は9.54%になり、明らかにjust a 10%は間違いです。

更にboostlinearaの使い方も不自然なのですが、英語が母国語でないで置いてくとしても、この作者は間違いなくtechnical reportの書き方を知らないド素人です。

映像エンジン

更にこの記事によれば、EOS R6 Mark IIのDIGIC Xは、名前こそ同じなれどbland-new(最新)の映像エンジンとの事です。

Somewhat confusingly, Canon is still using DIGIC X branding for the R6 II’s image processor. But while the name is the same as that in the R6, the processor is a brand-new one. We’ll come back to the benefits it brings in a moment. (Spoiler alert: You’ll likely notice these rather more than the modest resolution bump.)

ご存知の様に、映像エンジンの開発には巨額の費用が掛かります。

にも関わらずその虎の子の最新映像エンジンを、(型番も変えずに)いきなり中級クラスのカメラに投入するでしょうか。

それも8K30Pの撮れるEOS R5や6K60Pの撮れるEOS R3を差し置いて、4K60Pまでしか撮れないEOS R6 Mark IIに投入するでしょうか?

はたしてこの情報は、本当なのでしょうか?

電源スイッチ

そして最も首をかしげるのは、次の記述です。

If you’re coming from the original R6, it’ll take a little while to get used to the new control placement, which repurposed the power switch for still/video mode switching and added a new power switch on the handgrip instead. It’s worth relearning, though, and not just because it makes powering on a one-handed affair.

DPREVIEWによれば、EOS R6 Mark IIは片手で電源をONできるそうです。

EOS R6 Mark IIの電源スイッチは片手で操作できる?

そこまで言うのならば、(できれば重いレンズを装着した状態で)片手で10回電源のON/OFFを繰り返して、その姿を動画で見せて貰いたいものです。

恐らく悲惨な結果になるでしょう。

ネット記事とは言え、もう少し責任を持って書いて貰いたいものです。

ローリング歪み

とどめは電子シャッターのローリング歪みです。

And rolling shutter – which seemingly causes subjects moving across the frame to lean at drunken angles – is surprisingly minimal for a non-stacked sensor design, given that it correlates with readout speed. The only downside is that you’re limited to a 12-bit raw depth, but that’s not unusual and a trade-off well worth making.

これによれば、EOS R6 Mark IIのローリングシャッター歪みは非積層型の撮像素子にしては驚くほど(surprisingly)最小限に抑えられているそうです。

そう聞けば、誰しも先代より大幅に改善されていると思う事でしょう。

ですが、もしそこまで断言するのならば、然程難しい事ではないので、きちんと電子シャッターのスキャン速度を測定して数値を載せるべきです。

ちなみにCAPA CAMERA WEBの記事によれば、EOS R6 Mark IIのローリングシャター歪みは、先代とほぼ同等かやや軽減というレベルとの事です。

だとすれば、恐らく1/60秒前後なのでしょう。

いずれもネット記事ではありますが、どちらを信じるかと言われれば、CAPAの方でしょう。

定量的な評価データが全く無い

そしてこの記事の致命的とも言える問題は、文中にある数値は全てメーカーの公表値だけだという事です。

先ほど電子シャッターのスキャン速度くらい測定しろと言ったのですが、それを含めて定量的な評価は一切行っていないのです。

ですので、誰もがその気になればメーカーの仕様書を見ながら同じ内容の記事を書けるのです。

全く以って笑止千万です。

まとめ

まとめとしては、少なくとEOS R6 Mark IIに関するDPREVIEWの記事は、メーカー公表値と眉唾情報だけで全く以って読む価値がない、という事です。