iPhone 14Proの画質はついにフルサイズ機に追い付いた

はじめに

カメラファンにとっては悲報と言っても良いでしょう。

とうとうスマホの画質が、フルサイズ機に追い付いてしまいました。

iPhone 14

このサイトをご覧頂いている方でしたら、要点だけお伝えすればご納得頂けると思うのですが、もしかしたら初めてご覧頂く方もいらっしゃるかもしれませんので、おさらいを兼ねてこれまでの話も載せておきます。

これまでの話

デジカメの画質は、撮像素子の1画素の大きさに比例する事はご存知の事と存じます。

このため、画素数が同じならば撮像素子が大きいほど画質は良くなり、撮像素子の大きさが同じならば画素数が少ないほど画質は良くなります。

画素数が同じならば撮像素子が大きいほど画質は良い

また更に言えば、1画素の受光量が多い程画質は良くなると言えます。

このためISO感度を下げると、その分絞り開けるなりシャッタースピードを遅くする事になり、1画素の受光量が増え、画質が良くなります。

そこまでご理解頂いた上で、下のチャートをご覧下さい。

これは、一般的なスマホの撮像素子が1200万画素で大きさが1/2.3型だとして、その1画素の大きさを基準とした各種カメラの1画素の大きさを比べたものです。

ご覧の通り、スマホの1画素に対してカメラの1画素は、1~5段(2~64倍)も大きいのが分かります。

すなわち普通に写真を撮る分には、カメラの1画素の方が1~5段分光量を多く取り込めるので、画質も1~5段良いと言えます。

ところがです。

カメラの最低常用ISO感度は殆どの場合ISO100なのに対して、スマホの最低ISO感度はISO25程度なのです。

これは倍数で1/4で、段数にすると2段になります。

すなわちスマホがISO25で撮るという事は、スマホの方が光量を4倍(2段)多く取り込む必要があるという事で、1画素の光量は赤い縦線まで進むという事です。

これによって、一部のカメラの画質は既にスマホに追い付かれているというのが、今までのお話でした。

撮像素子が大きくなった

さて、これからが本題です。

既にご存知かもしれませんが、iPhone 14Proのメインカメラは、それまでの1/1.7型(6.2mm×4.7mm)の撮像素子から、ついに1/1.3型(9.9×7.4mm)に拡大されました。

これを先ほどのチャートに追加すると、以下の様になります。

この中の紫色の横棒がiPhone14Proの1画素の大きさで、それから2段右にある紫の縦線がISO25で撮った場合の受光量です。

ご覧の通り、iPhone14Proの画質(1画素の光量)はフルサイズの4000万画素以上の高画素機を超えてしまったのです。

ここでは理論上超えたと言うべきかもしれませんが、実際に両者の画像を見比べても、誰も見分けがつかないでしょう。

とは言え、まだフルサイズの中低画素機は抜かれていません。

と、安心してはいけません。

話は未だ終わっていないのです。

iPhoneはISO20が使える

今まではスマホの最低常用ISO感度はISO25だという事で話を進めていましたが、iPhoneの場合iPhone7以降ISO20が最低常用ISO感度なのです。

その場合、ISO25より1/3段露光量を多くしなければなりません。

このため先ほど紫色の縦線を更に1/3段右にずらすと、以下の様になります。

ご覧の通り、iPhone14Proの画質は3000万画素のフルサイズ機をも超えてしまったのです。

これでソニーが開発を進めている 2層トランジスタ画素積層型CMOSイメージセンサーなる物が完成したら、スマホに完全に抜かれる事になるのです。

いやはや困ったものです。

1件のコメント

ソニーもご自慢の「高飽和信号量技術」ってやつを、自社のα7に搭載するつもりは無いんでしょうか。
これにより明所での撮影性能を高めることができるらしいですが、それはつまりベース感度を下げるという事だったんですね。デジカメに応用が利かないはずが無いと思うんですけどね…
今のところ高感度耐性についてはスマホとデジカメでとてつもない差があるので、このまま行けば「暗所・望遠はデジカメ」となりそうですね。ニッチすぎてあまり夢の無い話です。

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