2022/01/08
ご存知かもしれませんが、つい先日Appleの時価総額が3兆ドルを突破したとの事です。
ちなみにこれは、トヨタの時価総額の約10倍です。
さすがにスマホの売り上げのピークはとっくに過ぎたのではないかと思いきや、相変わらずスマホ市場は活況を呈している様です。
それに対してデジカメは、コロナの影響を考慮しても依然縮小傾向が続いている様です。
何故なのでしょう。
これだけスマホやSNSが普及して、写真や動画を撮る人も機会も増えたのですから、デジカメ人口が増えても良さそうなものですが、その気配すら感じません。
確かにデジカメ全体が利益率の良い高価格帯にシフトしているとは言え、まだまだ10万円台のデジカメはいくらでもあります。
にも関わらずなぜ依然縮小傾向が続くのでしょう。
理由は色々あるでしょうが、一言で言えば普段使いにおいてはスマホの方が断然優れているからなのでしょう。
何しろスマホやタブレットPCで見たり、SNSに投稿するにはスマホの1200万画素で十分なのですから。
またデジカメのアドバンテージとも言える光学ズームも、ストロボも、可変モニターもそうそう頻繁に使うものではなく、どうしても必要な機能でもありません。
そうなると写真や動画に興味を覚えても、デジカメに移行するのではなく、カメラ機能の優れたスマホに流れるのも無理からぬ事です。
そもそもスマホに対するデジカメ最大のアドバンテージは、画質が良い事だったのですが、それも今ではかなり薄らいできています。
下は一般的なスマホ(1200万画素の1/2.3型)の1画素の大きさを、デジカメの撮像素子と比べたチャートです。
見易くするために段数表示にしていますが、この横線が赤のラインより長ければ長い程、1画素がスマホより大きい、すなわちスマホより画質が良い事になります。
このチャートをご覧の様に、一般的なスマホに対して1インチサイズ機は画質が1段ほど良く、マイクロ4/3で2段、APS-Cサイズ機で3段、フルサイズ機で4段ほど画質が良い事になります。
ただし高画素機においては、それより劣る事になりますが、一昔前でしたらそれでもデジカメの方が画質は優れていました。
ところがです。
ここ最近、スマホがマルチショットNRを定常的に使う様になってからは、その効果もかなり薄らいできたのは間違いありません。
例えば、もしスマホが4枚合成のマルチショットNRを使うとしたら、受光量が一気に4倍になりますので、理論上1画素の面積が4倍(プラス2段)になったのと同じ様なものです。
これをチャートで表すと、以下の様になります。
これをご覧頂きます様に、4枚連写合成におけるスマホの画質は、1インチサイズ機を完全に凌駕し、マイクロ4/3機やAPS-Cサイズ機とほぼ似た様な画質になり、フルサイズ機と比べても2段ほどしか変わらないのです。
この2段分の画質の差というのは、ISO100とISO400程度の差しかありません。
これではスマホより大きくて重いデジカメに移行しようと思う人はいないでしょう。
ところがここへ来て、ようやくデジカメでも高速でマルチショットNRが撮れる機種が表れてきました。
これがデジカメの普及クラスにまで降りてくるのは、まだまだ先の事でしょうが、これが搭載された暁にはスマホの画質を再度引き離す事ができます。
そうなった時こそ、デジカメが反転攻勢に転じるときだと思うのですが、いかかがでしょうか。
個人的には、一応全画像RAWで撮っておきたい派なので、RAWでNRが使えるといいのですが…
それともとりあえずRAWで撮っておくというのがもはや古い考えなのかもしれませんねぇ…
カメラにスマホのインターフェースを導入したもの、ソニーあたりが作ってくれると信じています。