実に興味深い。
以前マルチショットNRに関する件で、ISO感度を上げたり、高感度撮影時のノイズ低減レベルを調整してノイズレベルの確認試験を行いました。(詳細はこちら)
その際使用した測定条件のマトリックスが以下なのですが、これに撮影したJPEGファイルの容量を書き込むと面白い事が分かります。
ISO\設定 | 高感度撮影時のノイズ低減レベル(記録画質:ファインLサイズ) | ||||
OFF | 弱め | 標準 | 強め | マルチショットNR | |
ISO12800 | ●1.3M | ●1.2M | ●0.97M | ●0.87M | ●0.88M |
ISO6400 | ●1.2M | ||||
ISO3200 | ●1.04M | ||||
ISO1600 | ●0.99M | ||||
ISO800 | ●0.93M | ||||
ISO400 | ●0.92M | ||||
ISO200 | ●0.94M | ||||
ISO100 | ●0.89M | ●0.89M | ●0.87M | ●0.84M | ●0.87M |
上の表をご覧頂きます様に、同じ被写体を撮っているにも関わらず、ノイズが増えるのに伴ってファイル容量も増えているではありませんか。
その理由は、ノイズが増えるのに伴って、圧縮ができる領域が減っている(色情報が均一な領域が減っている)からなのでしょう。
そんな訳で、もしこれがノイズレベルと完全に相関があるとしたら、EOS R6のノイズレベルを定量的に把握する事が可能になります。
とは言え、さすがにこれをノイズレベルの絶対値として捉えるのは無謀でしょう。
ですが、ISO感度毎、あるいはノイズ低減レベル毎の相関比較には使えそうな感じです。
だったら最小値のISO50や最大値のISO204800まで撮っておけば良かったと思わずにはいられません。
そんな訳で、意を決して再度撮りなおしてみた結果が以下になります。
これが正確に各ISO感度におけるノイズレベルを表しているとしたら、かなり衝撃的ではないでしょうか。
ちなみにこれは、被写体の影響を極力排除するため、無地の壁をピントを合わせずに撮ったJPEGファイルを元にしています。
これを見て驚いたのは、何とISO100よりもISO400の方がノイズレベルは良いという事です。
そして更に驚いたのは、ISO200のノイズレベルは、ISO1600より劣るという事です。
ちなみにISO200とISO400の画像は以下になります。
かなり微妙な差ですが、遠目に見るとISO200の方が何となくムラがある様に見えない事もありません。
またISO200が悪いというのは、先にお見せしたマネキンを撮ったデータにも表れていますので、かなり確度の高い事象と言えます。
となると、極力ISO200は使わない方が良いという事になります。
この原因ですが、もしかしたらISO400近辺でゲインの切り替えをやっているのかもしれません。
またISO25600を超えると急激にノイズレベルが増えていますので、ISO感度は25600までに抑えておいた方が良さそうです。
また画質が間違いなく落ちると思い使用を避けていた最低感度のISO50ですが、ノイズレベルに関してはISO100とほぼ同等なのです。
ならばNDフィルターを使わずに、ISO50で済ます手もあります。
さてこの結果をどこまで信じるかになりますが、幣サイトとしては(当然ながら)数値で比べられる定量評価を信じたいと思います。
海外のレビューサイトでも、100の倍数より160倍数の方がノイズが少ないという結果が出てたような気がします。
メーカー側の基準ISOが、実は100ではないのかと思い、一時期160にこだわって撮っていましたが、結局オートにしてしまうので気にするのをやめました笑
ファイル容量の件興味深いですね、ぜひ続報を期待します。