2022/05/26
Nikon Z 9が優れているのは、撮像素子だけではなく映像エンジン(EXPEED 7)にも起因するのではないか、とのお便りを頂きました。
このため早速キヤノンの最新映像エンジンであるDIGIC Xを搭載して、同じく8K60PのRAWファイルが撮れるEOS R5 Cと比べてみました。
これが全てを表す訳ではないでしょうが、両機の8K60Pの動画性能は以下の通りです。
機種 | 8K60P動画 | ビットレート |
Niko Z 9(EXPEED 7) | 12bit 8.3K/60p N-RAW動画内部記録 | 5.8Gbps(約5780Mbps) |
EOS R5 C(DIGIC X) | 12bit 8K/60p RAW-LT動画内部記録 | 2.6 Gbps |
これを調べる前は、いずれも8K60pのRAW動画撮影が可能なので、処理能力は拮抗していると思っていたのですが、とんでもない誤解でした。
ビットレートを見ると、何とEXPEED 7の方が2倍以上も速いではありませんか。
8.3Kと8Kの差もあるのでしょうが、大きな違いはRAWファイルの種類でしょう。
Z 9のバージョンアップ(Ver.2.00)後に新たに追加されたN-RAWは、特定の編集ソフト(ダビンチリゾルブ)でしか開けないので、恐らく可逆圧縮RAWファイルなのでしょう。
対するEOS R5 CのRAW-LTは、3種類あるRAWファイル(RAW HQ/RAW ST/RAW LT)の内最も軽量タイプなので、非可逆圧縮RAWファイルなのかもしれません。
いずれにしろNikon Z 9は、撮像素子だけではなく映像エンジンも他社より高性能と言って良さそうでな感じです。
後発のニコンExpeed7のほうが性能が高いのは当然としても、こんなに差があるものなのですね。
ただ、キヤノンはDigicXを廉価機にも載せて来ましたが、Expeed7は価格や消費電力の面で、すぐに廉価機に載せることが難しいなどの課題があるかもしれません