OM-1とGH6の興味深い感度特性

2022/05/16

マイクロ4/3機のOM-1Lumix GH6が発売された事に伴い、小サイズ機のISO感度スパンチャートを更新しました。

小サイズ(フルサイズ未満)機のISO感度スパン

これだけで十分かもしれませんが、ついでに少し解説させて下さい。

OM SYSTEM OM-1

上のチャートをご覧頂きます様に、何とOM-1がフルサイズ未満のデジカメにおいて、最大常用ISO感度のトップに躍り出てきました。

業界トップの高感度特性になったOM SYSTEM OM-1

従来機は、同じ2000万画素で最大常用ISO感度は25600だったのが、一気に102400と2段(4倍)も良くなっています。

この内の1段は、撮像素子が表面から裏面照射型になった事で、残る1段は作像エンジンが新しくなってノイズリダクション向上の賜物なのでしょう。

ところで先ほど、OM-1はフルサイズ未満のデジカメにおいてトップに躍り出た、と伝えしましたが、実はそれだけではないのです。

フルサイズ機のISO感度スパン

上にあります様に、何とフルサイズ機の中においてもトップクラスなのです。

という事は、2400万画素のα7 III、Nikon Z 7II、或いは2000万画素のEOS R6よりも暗闇に強いのです。

OMDSの新ブランド発表会で述べられたマイクロ4/3における大幅な画質向上対策とは、どうやらこの事だった様です。

Lumix GH6

次はLumix GH6です。

2500万画素の高画素機になったLumix GH6

本機は、先代のGH5Sの2000万画素から、5.7K60Pが撮れる2500万画素にアップしたのですが、最大常用ISO感度は従来と同じISO25600を維持したのは立派です。

恐らくこれは、(公表はされていませんが)撮像素子を裏面照射型に変更したのが効いているのでしょう。

ところが、話はそれで終わりません。

更には、従来最低常用ISO感度はISO160で減感でISO80だったのですが、GH6では最低常用ISO感度はISO100で減感でISO64まで落としているのです。

すなわちニコンの高画素機と同じ思想で、画質を維持するために最低常用ISO感度を下げたのです。

ちなみに先ほどのOM-1を見ると、最低常用ISO感度はISO200で減感でISO80となっており、この場合はあくまでも高感度を優先しているのが分かります。

そんな訳で高感度を最優先したOM-1と、画質を最優先したGH6と言えそうです。

 

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